地震雲303 【11月15日千島列島M8.1】までの空
11月15日、日本列島沿岸部のかなり広域に津波警報がだされ、緊張することとなった地震【千島列島M8.1】が発生しました。
これだけの規模ですから、当然空の顕著な前兆を捉えているはずと思い、撮った画像を遡ってみたら、ありました。以下、時間を追って説明させていただきます。
大きな地震の場合、前兆から発震までのスパンが半年とかそれ以上ということがありますので、それをいつに断定するかは不可能です。それで11月の空限定で振り返ると、1日にもう被害規模地震になりかねない空が現われていました。それは【地震雲302】としてまとめてありますので割愛します。
その後で顕著な前兆があった日は、7日(一枚目~五枚目)。13日(六・七枚目)。14日(八枚目~十三枚目)。そして、当日の15日(最後の四枚)です。結局、1日・7日、と一週間毎に前兆があって、最後に連続三日間凄まじい空だったということになります。
画像の説明をさせていただきます。
●7日の空…部屋が南に面しているので、ずっと厚い曇天と思っていました。それが、ふと北側の窓から目に入った空に見事な青空。家の上空あたりに雲の境があって、南一面厚い雲。北一帯は青空という状況でした。急いで撮りにでて、雲は「南西→北東」へ架橋していることがわかりました。が、北東発生の雲の放射の勢いの強さ。今まさに噴出したかのような強さを一枚目画像でわかっていただけるでしょうか。その後、四枚目や五枚目のような帯雲が南西からひっきりなしに流れてきて、騒然とした空になりました。気になったのは、これがスマトラ地震や新潟県中越地震前兆で見た空だったから。どこかでM7規模以上の地震が起きようとしていたのでした。
●13日の空…見たこともないくらいの規模で彩雲ができていました。雲も形状がおかしく、大きな雲のエッジにくるくる回る独楽が幾つもぶらさがっているかのような。魅入ってしまいました。そして、凄まじい雲の放射です。
●14日の空…朝、北東から現われた五本の指を広げたような黒い放射状の雲。結果からみて24時間以内発震の直前前兆でした。延びてきた先が赤くレリーフ焼けしており、これは相当大きな前兆です。すぐに危険な規模と察知できなかったのは、忙しい時間帯で撮りにでることができず、全貌が見通せなかったから。悔やまれます。そして、やはり、7日に見たのと同じスマトラ前兆時の帯雲が現れました。夜、どこかで発震があるときの、全天もやっとした地気にたちこめられた夜空でした。
●15日当日の空は、それは凄まじいものでした。あまりの規模に、発生方位が読めなかったほど。地震発生を知って、撮った画像を見比べて、初めてこれがそうだったと納得した具合です。経験から、カメラのファインダーに収まる大きさで、地震の規模はおよそ判断できます。千葉県中西部地震M6のとき、前兆雲はほぼファインダーいっぱいに写りました。それ以下のとき、例えばM4とかM5だと、ズームを効かせなければいっぱいにはなりません。が、千島M8前兆のこの日、覗いているファインダーに前兆の方位をみつけられませんでした。それで、???、と方位を見定めるべく、どんなに目を凝らしたか。あとで画像チェックしてわかったのですが、前兆はフレーム枠をはみだしていたのです。だから、どんなに必死に覗いても、わからなかったのでした。下から四枚目も、結果から北東発生の雲が南西に届いたものと判断して納得できたのですが、撮っているあいだは、南西発生に見えるのに、扇状に広がって発生しているはずの雲が半分に切れて西側がない・・・、と???でした。その下は、完全に前兆が画面の外。下から二枚目は、全天地気蔓延の光景。最後は、北東発生の前兆雲が夕陽に見事に赤焼けしたときの画像です。エッジの赤が、空に赤い橋がかかったような、異様な光景でした。まさか、それが千島地震に結びつくなんて、と判断できなかった力量のなさを痛感しています。
追加:
15日15:50頃の空です。向かいの建物の屋上に異常な数のカラスが集結していました。
こういう状況になると、何時間後かによくM5以上の規模の地震が発生します。そういうとき、カラスは全部が一斉に同じ方向を向き、緊張したふうに凝固した姿勢でいます。そして、うるさく鳴き交わしながら集まってきたときと打って変わってシーンとし、あたりに不思議な静寂が漂います。向いている方角が震源地方向です。ちなみに、普段カラスはこんなにいませんし、ここには滅多に止まりません。
何度かその経験をし、的中率ほぼ90%以上なのですが、15日のこの日、カラスはいつまでたってもバラバラな方向を向き、鳴き止みませんでした。それで、大きい発生があるらしいとは思ったものの、方向が絞れないし、カラスの落ち着きのなさが不思議でした。
下の写真は、「友禅のような空」と勝手に名付けているのですが、青とピンク、それにオレンジなどのぼかしが入った非常に美しい色の夕景です。友禅のような淡い色合いですが、西洋絵画に見る雄大な空の描写のようでもあります。この空を見るといつも自然の神秘を思い、美しさに打たれます。そして、これもスマトラ地震の年に頻繁に目にしました。そして、あまりいつも観測される空ではありません。15日のこの日、久しぶりにこの空が出現しました。この数時間後、【千島列島M8.1】が発生しました。
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