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March 15, 2010

地震雲430 【3月13日福島県沖 M5.7や14日福島県沖 M6.6】などへの空

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最初に気象庁の地震発表を載せさせていただきます。
  3月14日18時58分頃 茨城県沖 M3.7
  3月14日17時53分頃 福島県沖 M3.8
  3月14日17時08分頃 福島県沖 M6.6 震度5弱
  3月14日14時40分頃 岩手県沖 M4.0
  3月14日10時59分頃 苫小牧沖 M4.1
  3月13日21時46分頃 福島県沖 M5.7 震度4
  3月12日16時08分頃 茨城県南部 M4.2
  3月12日14時52分頃 択捉島南東沖 M5.0

 写真は3月8日の空です。南西ですが、北東から(左端から)南西へ届いてきている壁のような分厚い雲(低空の雲)に、ん?、と思って撮りました。壁状に立ちはだかる雲は要注意です。まさか・・・と思ったのですが、一応念のために撮っておきました。

 まさかと思ったのには、以前チリで確かM9規模の地震があったときに、南東から北西へ長々と延びる壁状の雲を撮っていたからでした。そのときは空との境がシャープで、この写真のような入道雲みたいなむくむく感がなかったので、一目瞭然で警戒しました。入道雲みたいだったので、とりあえず撮っておこう程度にしか気が乗りませんでした。が、この日は終日写真のように空が荒れていて、M5規模くらいの発震はあるだろうと思っていました。上の写真が午前、下が午後です。

 12日からの北での異様な連続発震を知り、撮った画像のなかで該当する空は?と探したら8日がそれでした。時間がなかったのでとにかくシャッターを切っておこうとだけで撮った写真ですが、忙しくても外に出て全貌を撮っておくのだったと今更に後悔しています。やはり騒然とする空には尋常でない結果が控えています。いつも書きますが、「まさか」とか「そんなのはありえない」という最初の思いが予測の判断をにぶらせます。撮るからには何かを感じて撮っているのに・・・ですよね。 

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March 02, 2010

地震雲429 【2月27日15時24分 チリ中部・沖 M8.8 (USGS)】への空

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まず最初にお断りしておきます。2003年10月以来、空を撮っていますが、何でも撮るというのではありません。ん? おかしい・・・と感じるから撮るんです。不審だから、撮るんです。そのことを前提としてご覧になっていただけたらと思います。

 最初の青空の写真はスマトラ地震の前兆として頻繁に観た空です。大きな地震が起きる前には必ずこのようなシャープな直線状の雲が何本も「西から東へ」流れます。飛行機雲かもしれませんが、飛行機は毎日飛んでいるのに、こういう空になる日は滅多にありません。で、この空が現れると数日後くらい後に地震があるのでは・・・と警戒します。ただ、スマトラ地震のときは規模が大きかったので、こういう空は一ヶ月前後ほぼ毎日出続けました。今回はこの日だけでしたので、スマトラ地震ほどでないと思って油断していました。

 その下からの7枚は25日夜から、日付を超えて26日未明までのおかしな明るい夜空です。二枚目と三枚目(月の写真)が25日23:47頃の撮影です。大きな地震の前兆として、「夜空が透明感ある澄んだ水色」になります。この夜、窓から観た南西低空の夜空が澄んだ水色になっているのに気付いて、「まさか・・・」と思いました。見上げると月に薄い雲がかかって暈ができています。これも地震前の現象です。夜9時過ぎの夜空は黒くて、普通にはこんなに明るく撮れません。画像処理して目視に近く見えるようにしてありますが、この「澄んだ水色の空」はほんとうに大きな地震前の空です。

 その後原稿を書くのに没頭してうっかり経過を見忘れていて、ふと気づいて「さっきの空はどうなっているのだろう」と、再び撮ったのがその下の二枚で、日付が変わって26日になった3:53頃の撮影です。まだ空は水色で、薄い靄のような雲が上空にたゆたい、東南東から夜なのに輝くように真っ白な雲が湧いていました。「澄んだ水色の夜空」ではよくこの「夜なのに真っ白な雲」がセットになります。

 やはりおかしいと気になって、三度目に撮ったのが、最後の三枚です。4:06頃の撮影です。まだ夜空は明るい水色です。だいたい深夜の3時とか4時なんていつもは真っ暗ですから、撮っても画像処理もできないくらいに真っ黒にしか写りません。どんなにこの日の夜空が明るいかおわかりいただけると思います。

 最初にも記しましたが、「おかしい」から撮るんです。とにかく不審な空だから撮るわけです。何が何でも地震の前兆に結びつけようとして撮っているわけではありません。「おかしい」「何かある」と思っていたら、やはり、27日にチリで地震が起きてしまいました。

 4:06ころの写真はチリの震源地の方向です。深夜ですので外に撮りに出るのはためらわれ、隣家越しにしか撮れませんでしたが、三本の真っ白な雲が八つ手の葉状に広がっていました。地震前兆雲の形態として「放射状」になります。扇の要のような一点から何本かの帯雲が放射状に広がるかたちです。この夜の白い雲がそう見えたのですが、今まで経験したことがないほど巨大な大きさでしたので、見違いかと思いました。でも、どう見ても中心があるように見えます。東南東から北側へ延びるのが一本、南側へ延びるのが一本です。見間違いとしか思いようがない巨大さでしたが、一応撮っておこうと思って撮ったのがこの二枚です。下から二枚目の雲は、その北側へ延びる帯雲だけをアップにして撮ったものです。

 ずっと上空に薄い靄のような雲がたゆたっていました。こういうとき、割と近場とか直下の地震があるので、東京湾とか千葉沖の震源を考えました。というのも、ちょうど羽田で濃霧が発生して飛行機の欠航のニュースがあった直後でしたから。でも、それにしてはあの放射状の雲の巨大さ・・・です。あの雲の巨大さに匹敵する他の宏観前兆は報告されていません。例えば鼠が集団移動するとか・・・。どういうことかしらと思っていたのですが、チリ地震の発生を知って、この前兆だったんだ、と思いました。

 自然現象のなかではおそらく様々にいろいろなことが起きています。人間の知覚能力の範囲でないことを信じるのは難しいと思いますが、「おかしな現象」はやはり普通でない結果の前兆です。私はこの頃思うのですが、空と地震の関係は、大木の枝と根っこの関係で、大きく枝を張った大樹の根っこが地中で大きく張り巡らされているように、大きな空の現象は地中の大きな活動に比例するのだと思います。

 宏観はたった一件だけでは「何かある・・・」と感じて終わりです。この空の場合、巨大な雲の発生が東南東でしたから、東南東に何かある、と思っても、その先成す手はありません。でも、みんながこういうことを知って、みんなが報告し合えば、どこかの地域に異常が集中していることがわかり、そこが震源地となることも予測でき、被害を軽減することができるのです。最近、ツィッターを始めておこうかな・・・って考えているのですが、地震被害を最小限に食い止めるには、こういうリアルタイムの各地からの情報が一番効果あるのではと思うからです。

 この夜空をアップするのは、何でも地震に結びつけるというお叱りを受けそうで躊躇していました。が、先ほどのニュースで津波にさらわれたらしいお父さんを探してと訴える小さな姉弟に思わず涙して、こういう現象も地震の前兆の一つなのだと知っていただきたくてアップしました。

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地震雲428 【2月18日10時15分頃 ウラジオストク付近 M6.9】への空

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1月下旬から大きな地震の前兆となる空が続きました。これは2004年の新潟県中越地震・スマトラ沖地震の前兆として、当時頻繁に観測した空です。その頃は雲観測初心者でしたので、あまり頻繁なものですからそれが普通の空と思って撮っていました。

 でも、スマトラ沖地震後ぱったりとそういう空が出現しなくなって、翌2005年にはほとんど撮っていません。それで私のなかでは「こういう空が現れたら大きな地震がある・・・」という認識になっています。たまに撮ることがあると、やはり世界のどこかで大きな地震が起きます。ただ2004年ほど頻繁なことはなく、一日だけの空が多いので、地震も一回の単発で終わっています。で、なおさら、こういう空と地震は関係あるのだなあ・・・という気持ちになっています。

 今朝、【2月18日10時15分頃 ウラジオストク付近 M6.9】の地震がありました。日本からは北西の、ちょうど能登半島沖になります。実はこの方向に大きな地震があるだろうということは予測していました。1月下旬に繰り返された大きな地震への前兆空からの予測です。

 震源地の予測は、前兆らしい雲の発生の方向でたてます。1月下旬の空の雲はこの能登半島沖へのラインでした。当地三鷹から、浅間山のあたりを通って、能登半島の先端をかすめるように通る線上という予測です。写真二枚目の漏斗のような、回るコマのような雲の垂れさがる先端が震源地方向です。これは2003年から空を撮ってきて、発生地震との照合で身に付けた経験則です。ですから、「あの方向は能登半島沖」とか、「この方向だから新潟県」とか「この方向の発生は福岡県沖が震源地」とか予測がつくんです。最初の写真はその雲を真横から撮ったものです。

 この日、窓から見て「非常に緻密な鱗雲」が空いっぱいに広がっているのに驚き、急いでカメラをもって撮りにでました。この「非常に緻密な鱗雲」がまず滅多にない規模の地震前兆です。写真では一枚目の上空に写っている細かな鱗雲がそれです。でも、出てみたらそれだけでなく、日没近い太陽の周辺が巨大な彩雲になっていて驚きました。

 彩雲も大きな地震前兆です。もうほんとうに綺麗でした。これほどの規模の彩雲も滅多に出ません。地震前兆の雲は磁気性が強いので彩雲ができるのです。そして、下の写真のような日輪(日暈)や月輪(月暈)もそうです。日輪も珍しいことは珍しいのですが、月輪はもうほんとうに珍しく、こんなに大きい月輪を撮ったのははじめてです。最後の一枚は地震雲観測仲間のあいだで「全方位放射の空」と呼んでいる空です。これはまさにスマトラ地震時に頻繁に撮った夕景です。

 大きな地震になると、震源地のそこだけでなく、地球内部の岩盤を伝ったりして広い範囲で影響があるのでしょう。それでこういう空になるのだと思います。震源地を示す雲だけでなく、あちこちで岩盤から電磁波が放射されるのです。別名、「飛行機雲のできやすい空」といえばわかりやすいですね。

 写真は上四枚の彩雲までが1月27日。月輪は30日。最後の二枚の日輪と「全方位放射の空」は2月9日です。

 M3とかM4くらいまでの前兆の雲だと、翌日の発震です。が、M6以上では一週間から一ヶ月、或いはもっと長い期間をおいての地震発生となります。それで一月下旬からの空の結果となる地震の発生は一カ月後くらいと思っていました。

 これらの写真を撮ったあと、能登半島沖への、ちょうどこのライン上になる内陸でM4前後の地震が幾つかありました。その度にこれらの空を思い出して、「この前兆の空だったのかしら・・・」と考えました。でも、滅多にない「鱗雲」「」巨大な彩雲」「月輪」を思うと、M4とかM5の規模の地震が該当するとはどうしても思えません。それで写真のアップを見合わせていました。今朝、ウラジオストク付近でM6.9があったと知り、やっと腑に落ちた感じでこの地震の前兆だったのだと思った次第です。

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