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March 02, 2010

地震雲428 【2月18日10時15分頃 ウラジオストク付近 M6.9】への空

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1月下旬から大きな地震の前兆となる空が続きました。これは2004年の新潟県中越地震・スマトラ沖地震の前兆として、当時頻繁に観測した空です。その頃は雲観測初心者でしたので、あまり頻繁なものですからそれが普通の空と思って撮っていました。

 でも、スマトラ沖地震後ぱったりとそういう空が出現しなくなって、翌2005年にはほとんど撮っていません。それで私のなかでは「こういう空が現れたら大きな地震がある・・・」という認識になっています。たまに撮ることがあると、やはり世界のどこかで大きな地震が起きます。ただ2004年ほど頻繁なことはなく、一日だけの空が多いので、地震も一回の単発で終わっています。で、なおさら、こういう空と地震は関係あるのだなあ・・・という気持ちになっています。

 今朝、【2月18日10時15分頃 ウラジオストク付近 M6.9】の地震がありました。日本からは北西の、ちょうど能登半島沖になります。実はこの方向に大きな地震があるだろうということは予測していました。1月下旬に繰り返された大きな地震への前兆空からの予測です。

 震源地の予測は、前兆らしい雲の発生の方向でたてます。1月下旬の空の雲はこの能登半島沖へのラインでした。当地三鷹から、浅間山のあたりを通って、能登半島の先端をかすめるように通る線上という予測です。写真二枚目の漏斗のような、回るコマのような雲の垂れさがる先端が震源地方向です。これは2003年から空を撮ってきて、発生地震との照合で身に付けた経験則です。ですから、「あの方向は能登半島沖」とか、「この方向だから新潟県」とか「この方向の発生は福岡県沖が震源地」とか予測がつくんです。最初の写真はその雲を真横から撮ったものです。

 この日、窓から見て「非常に緻密な鱗雲」が空いっぱいに広がっているのに驚き、急いでカメラをもって撮りにでました。この「非常に緻密な鱗雲」がまず滅多にない規模の地震前兆です。写真では一枚目の上空に写っている細かな鱗雲がそれです。でも、出てみたらそれだけでなく、日没近い太陽の周辺が巨大な彩雲になっていて驚きました。

 彩雲も大きな地震前兆です。もうほんとうに綺麗でした。これほどの規模の彩雲も滅多に出ません。地震前兆の雲は磁気性が強いので彩雲ができるのです。そして、下の写真のような日輪(日暈)や月輪(月暈)もそうです。日輪も珍しいことは珍しいのですが、月輪はもうほんとうに珍しく、こんなに大きい月輪を撮ったのははじめてです。最後の一枚は地震雲観測仲間のあいだで「全方位放射の空」と呼んでいる空です。これはまさにスマトラ地震時に頻繁に撮った夕景です。

 大きな地震になると、震源地のそこだけでなく、地球内部の岩盤を伝ったりして広い範囲で影響があるのでしょう。それでこういう空になるのだと思います。震源地を示す雲だけでなく、あちこちで岩盤から電磁波が放射されるのです。別名、「飛行機雲のできやすい空」といえばわかりやすいですね。

 写真は上四枚の彩雲までが1月27日。月輪は30日。最後の二枚の日輪と「全方位放射の空」は2月9日です。

 M3とかM4くらいまでの前兆の雲だと、翌日の発震です。が、M6以上では一週間から一ヶ月、或いはもっと長い期間をおいての地震発生となります。それで一月下旬からの空の結果となる地震の発生は一カ月後くらいと思っていました。

 これらの写真を撮ったあと、能登半島沖への、ちょうどこのライン上になる内陸でM4前後の地震が幾つかありました。その度にこれらの空を思い出して、「この前兆の空だったのかしら・・・」と考えました。でも、滅多にない「鱗雲」「」巨大な彩雲」「月輪」を思うと、M4とかM5の規模の地震が該当するとはどうしても思えません。それで写真のアップを見合わせていました。今朝、ウラジオストク付近でM6.9があったと知り、やっと腑に落ちた感じでこの地震の前兆だったのだと思った次第です。

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