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2008.4.14 永井路子氏『炎環』を読んで・・・

067  思うことあって、永井路子先生の『炎環』を読んでいました。それは、今までドラマや映画で飛鳥井雅経が登場するのを見たことがないと思っていたのに、ずっと以前の大河ドラマ「草燃ゆる」のキャスティングを見たら、名前があったのです。しかも、藤原定家まで。

 残念なことに、私はそれを見ていなかったので、どういう登場の仕方かしらと知りたくて、ネットで検索したら、原作が永井路子先生の『炎環』『北条政子』『つわものの賦』を三つを合わせたものとありました。それで、図書館へ行って借りてきたのでした。

 私の小説修行はフランス文学の系統で学びましたので、歴史小説をほとんど読んでいません。永井路子先生のは、ときどき、エッセイとかで主に歴史のなかの女性を紹介されるものに接しただけ。でも、勘仲記を読む会とかに参加して、実朝暗殺の真実が、従来歴史でいわれているようなものでなく、小説の永井説が正しいだろうといわれ、今ではすっかりそれが定着していると聞いたりして、いずれは読まなくてはと思っていました。

 やはり、迫真でした。今まで思っていた歴史小説とはまったく違うものを見た気がしています。年代順に事実を人の心理に即して追って書く。それも、五年とかそれ以上とかの長い年月をスパッ、スパッと、書いていく。そうすると、長年の心理の積もり積もったものが、ある時代に瞬間となって吹きだして事件となる・・・。とても説得力ありました。学ぶこと、とても大でした。

 それには、やはり、人間が書けているからですね。私も頑張らなくてはと思いました。

 白い山吹が、昨日ご紹介した黄色い山吹と隣合わせで咲いています。清楚で、同じ山吹でも黄色いのとはまた別。綺麗な一枚が撮れたので、『炎環』に感謝しつつ載せます。

織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/

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