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2008.4.27 源氏物語千年紀情報・・・河添房江先生のトークセッション「世界の中の源氏物語―国風文化を問い直す―」

 『光源氏が愛した王朝ブランド品』の著者でいられる河添房江先生のトークセッション、「世界の中の源氏物語―国風文化を問い直す―」があるそうです。

 ■日時: 6月28日(土) 19:00~
 ■場所: ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて
 ■定員: 40名 (電話または来店1階サービスカウンターにて先着順受付)
 ■入場料: 1000円(ドリンク付)
 ■問合せ: 池袋本店 03-5956-6111

 平安時代は国風文化、『源氏物語』はその象徴・・・と高校時代に教えられたまま、ずっと疑いもなく思ってきましたが、河添先生の『光源氏が愛した王朝ブランド品』を拝読すると、貴族は舶来品を好んで蒐集しています。秘色青磁に代表される陶磁器だけでなく、それは日常生活の全般に及んでいることがよくわかります。遣唐使が廃止されて、純粋に日本文化だけで成り立っている平安文化・・・という誤解をしっかり認識させられました。

 不思議だったのは、国文学者のはずの河添先生にどうしてこういう視点が? ということでした。ご著書を拝読していると、発掘調査に携わっていたときに馴れ親しんで読んでいた歴史学関係のご本を読んでいるような感覚になるのです。

 それは、先生の生い立ちの記事を読んで納得しました。先生は最初は歴史学者になられたかったとのこと。国文学を当初から目指していられたわけではなかったのです。

 これって、凄く素敵なことと思います。多角的な視野が、それまで閉塞的だったとか、突破口なく固まっていた、というような世界の視野を広げるってこと、よくありますよね。

 山中裕先生も、私は国文学者でいられるとばかり思っていました。が、山中先生も歴史学の方だったのです。歴史学の視点で国文学の世界を読み解いてこられたから、『歴史物語成立序説』や、『平安時代の年中行事』のようなお仕事ができたのですね。

 領域を飛び越えた不思議なお仕事・・・と思うときには、たいてい、その方がご専門外でいられます。

織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/

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