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2008.5.14 京都紀行2・・・京都市考古資料館【紫式部の生きた京都】展

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 京都市上京区今出川通にある京都市考古資料館の源氏物語千年紀記念の展示です。発掘の仕事をしていた私としては是非見たい展示のひとつでした。

 会場に足を踏み入れてまず目に入るのは、ふつうなら無彩色一辺倒のはずの考古の展示には異質の、国宝『源氏物語絵巻』のパネル。これは、出土した皿や器が、絵巻に描かれているこれではないか・・・と対比させて見ることができるようになっているもの。

 例えば、薫の五十日の祝に、光源氏が薫を抱いている絵に描かれている祝膳の食器が、出土した白い皿に該当するのではないか・・・というふうに見ることができる工夫です。一番上の写真は、『紫式部日記絵詞』の道長ですが、展示物は「藤原道長建立の法成寺(ほうじょうじ)出土の緑釉瓦」です。面白いでしょ!

 それにしても、京都の出土品は優雅ですね。「白瓷(しらし)」という白い陶器の魅力を3月14日のこのブログに書きましたが、やはり、何回見ても、う~んとため息。堪能しました。白いから優美なこともありますが、とにかく薄い!! こんなに薄かったら、持ち上げたら割れてしまうのではと心配になる薄さです。さすが京都のお公家さんは、鎌倉武士と違って仕種がなよやかだったんですね。

 当然写真撮影は不可と思いつつ、恐る恐る館の方に伺うと、「いいですよ・・・」とのお答え。でも、ブログに載せるのは駄目ですよね・・・と重ねて訊ねると、「売ったりするのでなく、行って来ました!みたいな事ならどうぞ」との事でした。親切ですね。感謝しつつ、思い切り載せさせていただきます!!

 他に、斎宮の館跡の発掘調査の結果や、高陽院など、寝殿造りの遺跡で興味深い展示がありました。これはまた明日まとめてアップさせていただきます。展示は来年の1月31日まで。入場無料です。

■京都市考古資料館 075-432-3245
  市バス 「今出川大宮」考古資料館前下車
  http://www.kyoto-arc.or.jp/

織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/

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