2008.7.21 写真展【写真でたどる源氏物語の歴史―鎌倉で『河内本源氏物語』ができるまで―】を開くことにしました! 13
写真展展示用の写真を選んでいて、どうしても必要と思うのに無い無いと思っていたら、どうやらそれらはネガで撮っていた時代のものらしいことに思い当たったのが先日です。
デジカメの現在からさかのぼって、デジカメでも今は外付けHD、それもPC毎につけてあるから三台に保存は分散。その前がCD-ROMで、その前がMO。その前はフィルムカメラで撮っていて、リバーサル。何故、リバーサルにしたかというと、遺跡の発掘調査に携わっていた関係で、調査発表やシンポジウムでの講演にスライドでお見せする必要や報告書のための印刷用からでした。それで、鎌倉を取り始めたのとリバーサルフィルム時代は重なっています。
ネガで撮っていたのはそれ以前ということで、これは写大以来の習慣からです。焼き付け専門です。鎌倉に興味をもつ以前ということで、京都が主体。結局、東寺や六波羅蜜寺など、探していたのはネガの時代なんですね。
これはもう重要とばかりに、昨日、思い切ってしまい込んだ書庫の奥から、猛暑と埃にまいりながら、ふうふういって取り出しました。が、二つあった箱の間違った方をだしてしまって、狙いのネガにまだ至りません。
面白かったのは、箱をあけたら、プーンと酢酸の匂いがひろがったこと。懐かしい暗室の匂いです。白黒のネガだったら自分で処理したわけだから水洗不足とショックを受けるところでした。カメラマンだった父は暗室作業を重視した人で、水洗だけはしっかりやりなさいと教えられました。父の焼いた写真は変色しないとは業界の方のあいだで浸透していたそうです。
話がそれてしまいましたが、もう一つの箱を取り出すのにまた挑戦するかまだ未定です。構成上、六波羅蜜時が必要なのはわかっていますが、その後べつのポジなどで埋められるかも・・・という気がしています。
一応50数枚ピックアップして、ワードで順に並べてみて印刷してみました。50枚もあると、我ながら圧巻ですね。捨てがたくて、史跡によっては二枚、三枚と並べたく選んであったのですが、展示順の一覧にすると、そこだけ複数枚というのも不自然で、結局一か所につき一枚となりそうです。
●先ほど、テレビで新発見の別本系統の源氏物語写本のニュースをしていました。大阪の堺市で開かれたシンポジウムで、国文学資料館館長の伊井春樹先生がお話されていました。大沢本というようです。54帖全部揃っていて、鎌倉時代の書写で、定家の『青表紙本源氏物語』より古い・・・となると、凄い貴重な発見です。源氏物語千年紀のおかげで、写本の世界がクローズアップされています。昨年までと比べたら、私などには嘘のようです。解説でアナウンサーの方が、「紫式部に原本はみつかっていません。今私たちが読むことができるのは写本があるからです。」と言っていました。そっくりそのまま同じことをDMに書いて入稿したばかりなので、娘を顔を見合せてしまいました。
●写真展のお知らせ用DMのデザインができ印刷に入りました。私は写真を選んで、必要事項を書いて、娘に渡しただけ。娘がイラストレーターを使って葉書の表面、裏面のデザイン処理をしてくれました。勤務しながらだから無理ができず、夜中とか今日のような連休とかを使ってようやく仕上がり、入稿となった次第です
●写真は待賢門院璋子の法金剛院境内の滝です。たしか、璋子自身の采配の滝とか・・・。角田文衛氏のご著書ですっかり璋子の虜になりました。光行とは関係ないから写真展にはいらないと思っていたのですが、構成を深めていったらやはり必要になりました。これが入って時空が埋まったので、六波羅蜜寺はあえて探さなくてもいい気になっています。
織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/