2008.7.12 写真展【写真でたどる源氏物語の歴史―鎌倉で『河内本源氏物語』ができるまで―】を開くことにしました! 8
ショックなことに気がつきました。昔の写真展のつもりで、写真のサイズは何となく全紙とまではいかなくても、半切かなあと思っていました。今はデジカメだから半切という基準ではなくても、それくらいの大きさと漠然と考えていたのです。
でも、デジカメで撮った写真は写真として撮った訳でなく、目的が「記録」だったので、そんなに大きい必要がなく、また大きいと撮れる枚数が極端に少ないとか、PCに取り込むのに時間がかかるとかの理由で、最高画質では撮っていなかったのです。それに気づいて詳細を考慮したら、せいぜい大きくてA4・・・つまり写真サイズに換算すると四つ切と呼ばれる大きさ止まりとなったのです。
半切なら、例えばそれを壁面に10枚並べれば一応見栄えがしますが、四つ切ではその倍は必要? 一枚一枚の完結作品という訳にいかず、一史跡につき二枚とか三枚の連作で・・・とするしかなくなりました。写真を選びに入っていますが、根本から考えなおさなくならなくなって、一瞬青ざめました。でも、まあ、できないことではないので、気分を一新して考えます。
それにしても、フィルムカメラ時代からデジカメへの移行にこんな落とし穴があったなんて。作品を念頭に撮っていなかったのを切り替えて、これからは最高画質で撮ることにします。幸い、ヴィスタになって、PCに取り込む時間ももの凄く速くなりましたから。
写真は比叡山から琵琶湖を見おろして撮りました。比叡山は以前書いた小説「白拍子の風」の主人公として描いた慈円さまが修行に籠られたお山です。それは無動寺という寺院で、私はそこに行きたくて、地図を頼りにたどっていったのですが、深い谷の底で、降りても降りてもたどりつかず、これではたどりついても今度は帰りが思いやられるといった厳しさでした。それもそのはず、そこは比叡山の千日回峰行の出発点となるお堂だったのです。「さすが慈円さまが籠られた修行のお山」を実感しました。それにしてもさすが比叡山のすがすがしさ。写真を選んでいてこれがでてきたとき、慈円さまは今度の写真展には入らないけれど・・・と思いつつ、しばし見入ってしまいました。
織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/