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2008.7.16 糸魚川ー静岡構造線【新倉の断層と翡翠峡の写真】

3 5 4 6  写真展のための写真を選んでいて、デジカメで撮った分を一応終わり、それ以前のポジで撮った分の選定に入りました。そうしたら、ずっと前からこのブログでご紹介したかったのにスキャナー処理しなければならない為にできないでいた新倉の断層の写真がでてきました。それで、閑話休題で写真展から離れてフォッサマグナ関連の写真を載せます。

 糸魚川ー静岡構造線は、太平洋側の静岡から、日本海側の糸魚川までを、本州を分断するかたちで走る構造線です。フォッサマグナの西縁にあたります。静岡側はちょうど登呂遺跡のあるあたりですが、地中深く走ってそのまま海中に埋没しているためにあまりよくわかりません。糸魚川側はかの有名な親知らず海岸になります。

 以前、地中奥深くの神秘に魅せられて、糸魚川―静岡構造線をたどる旅をしました。といっても、ずっと沿ってたどったわけでなく、ポイントポイントを訪ねただけですが。

 新倉の断層は構造線の中ほどの山梨県にあります。早川町というところで、身延山の近くです。ここでは地中奥深く埋没しているはずの構造線が露出しているのです。しかも、大逆断層というかたちで。

 逆断層とは、簡単にいうと、古い地層が新しい地層の上になってずれている断層のこと。例えば50センチ規模みたいな小さな断層なら歩いていて、どこかの地層で見ることもありますが、新倉の断層の規模といったら・・・

 ここは車からおりてかなり歩いていかなければならない場所で、しかも歩いて行く先には見えない立地条件で、そこに着いて見上げると突然目の前に高い崖となって断層が迫って見えるという感じで目にします。誰もが思わず、「わぉ~!」と声を洩らさずにいられません。というのも、ちょうど私が行ったとき、京都の国際会議場で開かれていた国際地理学会に集まった世界中の地理学者さんたちが、会議の翌日現地見学会としてここに訪れていたのと一緒になったのです。世界の名だたる地理学者さんでさえ声をあげずにいられない光景が目の前に開かれたのです。

 一枚目がその断層です。ここは川原で、断層は対岸の崖。小さな川なので後ろにさがって撮るスペースがなく、よほどの広角でないと全貌を写し切れません。やっとこれだけ撮ったのですが、気軽にただ一機種のカメラで訪ねてしまったことを後悔しました。右上から左下へスパッと斜めに走っているのが断層の境目です。緑の樹木が生えている地層と、岩肌が露出している地層が見事に違うのがわかります。二枚目と三枚目はその説明の標識です。

 三枚目はおまけで、新潟県の明星山麓の翡翠峡です。これは糸魚川側を訪ねたときのもの。このときの写真もたくさんご紹介したいのですが、またにします。でも、当分無理そうなので一枚だけ。翡翠の原石の巨大なアルビタイトが川の中にごろごろと散乱しています。写真中央の巨石もその一つで、緑の翡翠がなんだか料紙を開いた絵巻のような感じで覗いていました。

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