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2008.7.11 写真展【写真でたどる源氏物語の歴史―鎌倉で『河内本源氏物語』ができるまで―】を開くことにしました! 7

051 東京ビッグサイトで開催中の第15回東京国際ブックフェアに行きました。去年、執筆中の『紫文幻想』の電子書籍化を思い立って、この会場の一部であるデジタル パブリッシングフェアに行って、シャープさんのブースなどで電子書籍化の原理を把握しようと躍起になっていた、あれから一年がたったということです。

 去年の目論見では、原稿はすぐ完成させて、秋には刊行。そうしたらそれを電子書籍にして・・・でした。それが、思いがけず原稿の内容が一新するような新しい材料をある方からいただき、8月に最初から書きなおしはじめて、到底秋の刊行なんて無理。それどころか2月には・・・とか、5月にはとにかく・・・と思いつめた期限もとっくに過ぎて、まだ原稿は最終章の山場にさしかかったまま滞っています。のみならず、8月下旬に写真展の企画まで入れたりして、『紫文幻想 ―源氏物語写本に生きた人々―』の刊行はいったいどうなるのでしょう・・・(笑)。源氏物語千年紀に向けての発奮だったのですから、写真展が終わり次第、とにかく秋には刊行したいと思っています。

 そんなわけで、デジタル化はまだ先の先の話。デジタルの世界は遅くなればなるほど技術が進歩するばかりでなく、乱立している各メーカーさんの技術も淘汰されていくし、安価になるという傾向があるから焦りません。ここはまず写真展。それから原稿→出版。それから電子書籍。ですね。そんな気負いのなさもあってか、今年は昨年に比べてデジタル部門の活気が今一って感じたのですが、気のせいでしょうか。電子書籍も、売上主体で考えるから仕方ないのでしょうけれど、漫画の電子書籍化ばかりがメインで、これが日本の現状?って思ってしまいました。

 メインの方のブックフェア会場へはあまり興味なかったのですが、せっかく来たのだからと覗いたのが運の尽き。だいたい書店を覗いて買わないで済むなんてことがあるはずがなく、ましてこの会場では一律二割引き。その上、一般書店では見られない貴重な専門書がずらっと並んでいるのですから、結局また買ってしまいました。図書館で、閉架になっている本が開架で見られるような喜びです。今日は最初に買った思文閣出版さんのでもう重たくて持てない状況になったので、他は見るのを止めました。購入した図書は、稲垣弘明氏『中世蹴鞠史の研究―鞠会を中心に―』、これは連載をはじめた小説『花の蹴鞠』のために。それから、角田文衛氏・加納重文氏『源氏物語の地理』、これは前から欲しかったのですが機を逸していたもの。そして、石山寺第五十二世座主鷲尾遍隆氏監修『石山寺の信仰と歴史』です。

 帰りの車内で『石山寺の信仰と歴史』を読んでいたら、第四章「伽藍のすがた」で山岸常人先生が多宝塔は頼朝の建立と書いてられました。訪ねたときになんだか頼朝の話があった記憶があるのですが、建立とまでの認識がなかったので驚きました。冒頭の写真がその多宝塔です。

織田百合子Official Website http://www.odayuriko.com/

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