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2008.8.3 写真展【写真でたどる源氏物語の歴史―鎌倉で『河内本源氏物語』ができるまで―】を開くことにしました! 20

092  選定が終わった写真の一覧をご紹介させていただきます。本番では右から並べますが、これは左から一列目が第一章「源氏物語の世界」、二列目が第二章「源氏物語写本の世界」、三列目と四列目が「平家文化の時代」です。以下、第九章まであります。

 何だ、こんな写真か・・・と思わないでくださいね。写真は全部記録用に撮ったものばかりで、まさか展示するなんて夢にも思っていませんでした。だから、「作品」ではないんです。まして、「芸術写真」ではありません。すべて取材に行ったときのもので「記録」です。

 なので、会場では「キャプション」が命。個々の写真に長いキャプションをつけます。それも私が要略した説明ではなく、できる限り、それを撮りに行くきっかけとなった古典や論文の引用をつけさせていただきます。いわば、写真と古典のコラボレーション的展示です。

 一例をご紹介させていただきますと、左上、すなわち第一章の最初の一枚は、「藤原道長の土御門殿」で、京都御苑内の仙洞御所のある一画です。『紫式部日記』冒頭で有名な土御門殿は、ここにありました。それを角田文衛氏のご論文から、「仙洞御所の北池と南池との境をなす狭い部分に架された石橋の辺が土御門殿の南限であり、北限は清和院御門に通ずる広い道路敷地の北の緑地帯南辺である。大宮御所と仙洞御所の境界は、大体のところ土御門殿の西限とみてよかろう。」というふうにキャプションをつけました。二枚目の孔雀は河添房江先生の『光源氏が愛した王朝ブランド品』に、土御門殿に孔雀が飼われていたという記述があったので、そこを引用させていただいています。

 娘は、写真に長い説明をつけると人が立ち止まって読むから流れが悪くなると、忠告してくれます。展覧会でも、キャプションばかり読んで展示物から気がそれていることに気がつかない方が多いそうです。でも、流れが滞るほどご来場くださる方がいらっしゃるなら、それは喜ばしいことで、まさか困るほどにはならないでしょうからと、意を決しての「長いキャプション」です。それだけ、私はこの写真展で訴えたいことがあるのだとご容認ください。

 写真は作業台の上で撮りました。おしゃれに布か何かを敷いて撮ることもできましたが、あえて閉じたノートPCの上に置いて。コードが乱れていますでしょ。優雅な源氏物語世界に浸りながら、作業はまったくのふうふうといった現実世界です。

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