2008.8.1 写真展【写真でたどる源氏物語の歴史―鎌倉で『河内本源氏物語』ができるまで―】を開くことにしました! 19
七月中旬に新発見のニュースがあった源氏物語「飯島本」を見てきました。まぎらわしいのですが、つい先日ニュースになった「大沢本」とは別の写本です。
どちらも54帖揃っていることで画期的ですが、こちらは室町時代の書写だそうです。国立新美術館で開催中の「『春敬の眼』珠玉の飯島春敬コレクション」展で公開されています。明日3日が最終日。気にしていたのですが、あれこれと忙しくしているあいだにうっかり忘れるところでした。今日も別の場所へ行く途中、ふと思い出して、急遽帰りに回りました。
でも、凄いコレクションでした。書道をなさっている方には、見て回るのに時間がいくらあっても足りないでしょうね。私は、空海とか、あとは国文学で親しみのあるお名前の方々のを中心に見させていただきましたが、とにかく凄いとしか・・・。貫之筆、行成筆、公任筆・・・といったものはともかく、俊成、定家もともかく、九条兼実あり、良経あり、飛鳥井雅経あり、伝宗尊親王筆あり・・・。道長の金峯山埋経があって、さらに驚いたのは、源氏物語絵巻詞書断簡の存在・・・。伝寂蓮筆と伝伊房筆でした。そして、石山切もありました。しかも、見慣れたあの伊勢集が。
思いがけずここで一つの収穫がありました。それは、料紙。写真展の受付に芳名録を用意しますが、私はそれを市販のものでなく、料紙を綴じないでそのまま置きたいと思っているんです。それで、ここのところ折あると料紙の売り場に行ってどれにしようか迷っていたのですが、今一決めかねていました。料紙教室に長く通っていれば溜まっているのに・・・と悔やんでも仕方ありません。それが、書道の展覧会なので、墨や筆に混じって料紙が並べられていたのです。もちろん、購入して帰りました。吉祥寺で見ていたものは使いやすいサイズで、そのまま置いて大丈夫と思っていましたが、買ってきたものは半切という大判。それをそのまま受付に置いても面白いけれど、半分に切るかも・・・と思案です。若い方にも気楽なように硬めの筆ペンを置いて、料紙に書く楽しみを味わっていただけたらというのが目的です。だって、源氏物語の世界は色の世界。紙と布・・・。布は手にしかねますが、紙は一応準備できますものね。
「飯島本」の見られる展覧会は明日までです。まだの方は是非おでかけなさってください。「大沢本」もそのうちに拝見できるといいですね。
写真は仁和寺です。ここも襖絵の撮影が許されていて、嬉しくて何枚も撮ってしまいました。法親王という方々はこうしたお部屋で暮らしていられたんですね。親王さまのご住居だから、仁和寺は他の仏教寺院と違って雅です。
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