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2008.11.9 【西洋絵画の父 ジョットとその遺産展 ジョットからルネサンス始めまでのフィレンツェ絵画】展に行きました。

81109c  最終日の昨日、【西洋絵画の父 ジョットとその遺産展 ―ジョットからルネサンス始めまでのフィレンツェ絵画】展に行ってきました。ほんとうはもっと早く行って、ブログでご紹介すべきだったと、会場に足を踏み入れて気がつき、後悔しました。絵画はいくら文章で説明しても遭遇した思いや感動をお伝えできませんから。私も西洋絵画には疎いのでジョットという画家に馴染みがなく、実は娘に引っ張られていったのでした・・・

 会場に足を踏み入れて最初のコーナーが、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂・・・。1997年9月26日のイタリア中部地震で被害に遭った聖堂でした。西洋絵画を学ぶ娘は当時大学生で、その報に接して呆然としていました。それからいろいろ心を砕いて支援募金などしてましたから、会場で「あ、これ?」と小さく隣にいた娘に声をかけると、「うん」と頷いていました。

 サン・フランチェスコ聖堂の壁画を描いた一人がジョットだったんです。被害にあった壁画などの修復も終わったようで、実物の展示はありませんでしたが、修復後の今現在の壁画の写真が並んでいました。その色の鮮やかなこと! ラピスラズリでしょうか、青の色がもの凄く目の覚めるように綺麗なんです。思わず「来てよかった」と思いました。

 中に、有名な一枚だそうですが、「小鳥への説教」というのがあって、小鳥にも人間と同じ人格?を認めて説教している場面。地面に無数の鳩のような鳥が並んでいて、それが可愛らしい仕種で聖人を見上げて一生懸命にお話を聴いているんです。あまりに気に入って、あとで絵葉書があったら買おうと思ったのですが、このコーナーは被害地震後の修復の結果のご報告が目的で、本物の壁画が来ているわけではありませんから、もちろん、絵葉書は用意されていませんでした。

 それならと、何とかその絵の出ている本を・・・とミュージアム・ショップで探したらこれが何と! 修復したから色が鮮やかなんです。既販の美術書は地震前に撮った写真を載せているから長い年月の埃をかぶって一面くすんだ灰色。色の濃淡もでていません。まるで別物。それまでの先入観なく観た私には新しい色彩鮮やかな色の方が断然いいと思ってしまいました。

 これは日本の神社仏閣や仏像にもいえることで、日本人はわび・さびの習慣から、新しく朱で塗りなおされた神社や修復されてまばゆいばかりに輝く金色の仏像に接すると違和感を覚え、「古い方がいいわよねえ・・・」って言ってしまいがちです。

 でも、考えてみると、信仰のために神社仏閣、仏像を崇めようとそこに佇んだ当時の人たちは、まばゆさに目も覚める思いで信仰を深めたわけです。決して埃を被って灰色になった建物・仏像に心打たれたわけではないんですよね。

 古いことがいいと思うのは間違いって、最近気がついたのは、大阪の天王寺を訪ねたときのこと。塗りなおされて朱の色の輝くばかりの伽藍の境内を歩いていて、当時の人が見た感動ってこれだったんだ!と思いました。たぶん、アッシジの「小鳥への説教」の絵も、古くて風格ある地震前のものに馴染んだ方には明るくなりすぎて違和感あると思います。でも、これができた当時の色なら、それをそのまま受け止めればいいんですよね。最近の私は原色でも金ピカでも、綺麗な仕様の神社仏閣・仏像に心ひかれます。以前のようには、「新しいから・・・」といって避けて通ることはなくなりました。

 話がそれましたが、ジョットの「青」はそれは見事でした。そして、ジョットの存在も。ルネサンスの時代へとなっていくその影響力をもった画家さんなのでした。私のような門外漢が記しても間違うといけませんからジョット展で検索していただくとして、(素晴らしい画像を載せてられるブログがあります。)一つ、これは・・・という情報を。

 ジョットの壁画で有名なスクロヴェーニ礼拝堂・・・これも「青」がそれは見事な壁画群で、ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂みたいに見上げてぐるりと見渡すしかない壮大な空間なのですが、これが日本で実体験できるんです。というのは、四国は徳島県鳴門市の大塚国際美術館で陶板に仕上げた実物大の壁画で飾った、本物の礼拝堂そっくりに仕上げた空間があるそうです。これは、是非行かなくてはと思いました。システィーナ礼拝堂の復元室があるのは知っていましたが・・・。おかしな言い方ですが、クリスマスカードの絵のように綺麗です!
http://www.o-museum.or.jp/japanese/

 写真は損保ジャパンにある美術館の窓から見下ろした新宿の夜景です。東京モード学園の新しいビルにブック・ファーストがオープンしたんですよね。斬新なその建物が視界に入って思わず撮ってしまいました。

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