2008.12.2 源氏物語千年紀情報・・・学習院大学「源氏物語千年紀 記念シンポジウム」
◆学習院大学史料館主催「源氏物語千年紀 記念シンポジウム」
日程: 12月10日(水) 16:00~19:45
場所: 学習院創立百周年記念会館1階正堂
詳細: 以下の通り
第一部 16:00~17:00【雅楽講演】
いちひめ雅楽会/管弦 「越天楽」・舞楽 「青海波」「陵王」
第二部 17:30~19:45【シンポジウム】
三田村雅子氏・佐野みどり氏
入場無料・事前予約不要
聴講に通っている大学院の廊下に貼ってあったポスターがとても艶やかで、暗い廊下で目を引きました。源氏物語千年紀なのに関東でそれに匹敵するシンポジウムの企画がないと悲しく思ってきましたが、ここにきてようやくみつけました! ポスターの図柄は学習院大学史料館で検索するとご覧になれます。
写真は京都の小野随身院。小野小町ゆかりの寺院です。中は襖絵や衝立など色彩ゆたかな大和絵で埋め尽くされた感の室礼ですが、写真撮影可なんです。たいていのところが「禁止」の中でこのおおらかさは!と感動。私も主人も撮りまくらせて頂きました。最近思うのですが、日本人はいつからか「絵に描いたよう」がリアリズムの反対語のようになってさも悪い事のように避けていますね。でも、リアリズムなんてたった近代になっての手法。リアリズム重視になってどんなに感覚や感性がちっぽけになったか。前にも書きましたが、朱塗りの寺院を成金趣味の代表のように忌避する風潮と合わせて、「絵に描いたよう」を忌避する習慣は間違っていると思います。
というのも、源氏物語千年紀にかけてこのブログを編集していて気付いたのですが、王朝文化の雅さは自然の中にはほとんどないんです。雅楽の写真を掲載したくても、雅楽を鑑賞する機会はあっても、たいてい撮影禁止。しかも、現代の舞台とか、宮内庁の講演ならその一室でとか・・・、『源氏物語』「紅葉賀」に描写されるような自然と一体化した「生きた雅楽」など撮れません。撮れるのは桜とか紅葉とか、川の流れとかの自然ばかり。でなければ、行事。でも、それでは生きた王朝文化の再現にはならないのです。ここ一年、源氏物語世界を撮るのは難しいと痛感してきました。
そこへ行くと創作の世界は自由です。いくらでも「人間も同化している生きたその世界」に遊べます。宇治の源氏物語ミュージアムの第一室も有難いし、襖絵はとても豪華。随身院の絵はたしか衝立か屏風だったと思います。こんなにゴージャスなんです。王朝世界って。それをリアリズムで・・・なんて叶いませんよね。「描いた絵」のどこが悪いんでしょう。明治時代の近代化の所産のようなリアリズム信奉に辟易している今日この頃です。(何だか激してしまいましたが、小説も短歌も、すべてその弊害が大きいと思っていますので・・・)
話はとんでもない方向に行ってしまいました。学習院のシンポジウムが楽しみなのは、お話が国文学の三田村雅子先生と、美術史家の佐野みどり先生だから。三田村先生の源氏物語千年紀特集の『芸術新潮』は素晴らしかったし、佐野先生の小学館『じっくりみたい≪源氏物語絵巻≫』は、国宝『源氏物語絵巻』が原寸大ですべて載っている素晴らしいご著書です。しかも購入しやすいお値段で奇跡的です。
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