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2009.2.5 今夜は、「源氏物語千年紀 Genji」の第四話があります!

 フジテレビ深夜12:45分からの出崎統監督の源氏物語千年紀記念アニメ【Genji】です。第三話の先週は「夕顔」でした。今日は「藤壺」、危ないお話になりそう・・・

 先週の夕顔は、第二話のときの六条御息所での衝撃と逆にちょっと物足りなかったかな・・・? 夕顔があまりに少女っぽすぎて、光源氏の心を虜にする色香のかけらも感じられませんでした。出崎監督はインタビューで葵の上に関心をもたれてらしたから、六条御息所とか葵の上とか、癖のある個性の強烈なキャラクターでないと熱が入らないのかしら。見ていて、主人公の夕顔にはちっとも魅力を感じないのに、生霊となって顕れる六条御息所の凄さ。やはり圧巻で、凄い、凄いと、一人で見ながら内心見入ってしまいました。はかない美しさなんて、大人の監督には興味ないのでしょう。

 この夕顔について、現代人の解釈で遊女説があります。それは、夕顔がみずから歌を光源氏に差し出すから。それによって二人の関係ができていくわけで、光源氏が花に興味をもっても、夕顔が無視すれば何も起こらなかったわけ。

 それを、わざわざ扇に歌を書きつけて花を添え差すなど、手練手管の遊女のすること・・・というのがその説の論法です。はかなげに見せるのもその手管の内と。

 でも、それでは紫式部の書いた意図に反しますよね。夕顔と光源氏のエピソードは、紫式部が仕えた具平親王に実際にあった悲恋がモデルといわれます。具平親王は近藤富枝先生が紫式部の恋の相手だった・・・と書かれたほどの貴人。そういう人をモデルにして、相手が光源氏をだます遊女なんてこと、絶対あり得ません。

 それについて、清水婦久子先生が『光源氏と夕顔―身分違いの恋―』(新典社新書)で何故そういう無謀ともいえる間違った説が生じたかを、歌の事情から解説されています。詳細は記しきれませんが、当時の歌の位置を熟知していれば、夕顔が贈った歌がでしゃばってのことでなく、かえって頭中将の元愛人だったという貴族社会を知ったものの奥床しい知識人だということがわかるとのこと。

 思うのですが、最近の勉強は偏差値主義とかパソコン検索でばかり頭に詰め込まれるから、当時の人の実際の生活感を知らずに解釈してしまう嫌いがありますね。例えば宗教は現代から解釈すると宗派を超えた仏教など考えられないみたいだし、ちょっと近い世界の人はみんなライバルみたいに解釈してはばからないし、・・・・現代と決定的に事情は違うのです。

 夕顔もはかないけなげな人だから歌を差し出した。清水先生はそれを「でしゃばって・・・」ではなく、その前に光源氏からの歌が行っていて、返歌をしないことこそ当時の社会では失礼だから返した・・・。当時の人は物語を読めばそれくらいは察したのに、現代人は書いていないことは「なかった」事として、夕顔が先に歌を送った・・・、図々しい、何が「控え目ではかない」よ!・・・、遊女に違いない・・・、となる訳です。偏差値教育の、マークシート教育の、パソコン検索学習の、決定的な危険を覚えています。(清水先生の説を読み返す時間がないのでうろ覚えで書いています。詳細を間違っていたらごめんなさい。とにかくこのご本は魅力的で一気に読ませていただきました。お勧めします!!)

 夕顔の歌は、それは素敵です。ご紹介しますね。

 心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花

 近藤富枝先生の『紫式部の恋』(講談社)もわくわくする素敵なご著書です。かなりドキッとする部分もあります。これも絶対お勧め!!です。

織田百合子のHP http://www.odayuriko.com/

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