2009.6.24 今年の【東京国際ブックフェア】は7月9日~12日の開催です!! と、石積忠夫社長の『正直者はバカをみない』について
「電子書籍」のキーワードで検索してこられる方がたくさんいらっしゃいますのでお知らせさせていただきます。【東京国際ブックフェア】は日本最大の本の展示会ですが、会場では「デジタル パブリッシング フェア」の一画があり、そこで電子書籍などの詳細を知ることができます。
会場は東京ビッグサイト。入場料が1200円かかりますが、招待券を持っていけば無料です。招待券はホームページから請求することができます。
http://www.reedexpo.co.jp/tibf/
東京国際ブックフェアというとてつもない規模の本の展示会・・・、当然なにかしらの「公」の運営と思っていたら、「リード エグジビション ジャパン株式会社」という民間企業の一事業だったんです。これを知ったときは驚きました。凄い目のつけどころだなあ・・・って。
一昨年来、私は『紫文幻想―源氏物語写本に生きた人々』という本を上梓しようと頑張っていて、去年の源氏物語千年紀には刊行・・・と思っていたのが、書けば書くほど内容の深まる新資料の続出で原稿がまだできあがっていません。で、上梓・・・はまだ夢のまた夢・・・、でも、今年の春、千年紀の余韻がまだ冷めないうちになんとか・・・と思い、『源氏物語写本のお話』といったタイトルの簡単な概略書でもいいから一冊刊行して、「たった一冊の出版社」として、このブックフェアに出展できないかなあ・・・などと考え、出展説明書に行ったんですよ!! 自分でもなんて大胆な・・・と思いつつ。だって、そこはほんとうの出展社の方々の集まりで、大手の出版社のそうそうたる方々が全部いらしている会場ですから。
一応、金額を支払って申込さえすればできないことはない手応えをつかんで帰りましたが、あまりに性急で、まず三か月のうちに原稿を仕上げて→刊行して→展示の準備・・・をしなければならないのはあまりに危険・・・と思って止めました。
でも、行ってよかったのは、ブックフェアの裏側とか、リード エグジビション ジャパン株式会社という会社の理念とか、そういったことがつまびらかに把握できたこと。なによりも社長の石積忠夫氏の考え方に打たれて帰りました。
石積忠夫氏は新潟県の出身でいらして、ブックフェアを思いつかれたのは、新潟の朝市の思い出から、本もあんなふうにいろんなところから集まって一同に展示することができたらいいのに、という発想からとうかがいました。凄いですね。
こんなふうな社長さんですから、社風も凄い闊達で、清新明解。展示会とか野球観戦でもそうですが、よく「来場者〇○人」と発表されますよね。でも、だいたいが水増し。それが当たり前になっているような世の中で、この会社だけは「実質の数」なんだそうです。それは、来場者の名刺の枚数で数えるから・・・。入場するには名刺が必要です。そして一旦入ると首にさげるパスポートをいただけて、それさえ持っていれば、何回出入りしても、連日足を運んでもスルーです。でも、カウントは「一人」なんです。
なぜこんなに厳密に「実質」にこだわるかっていうと、それは水増しをしてしまうと社員の士気がさがるから・・・とか。そんなんでいいや思えば真剣さから遠ざかる。実質で勝負となれば必死になる・・・ということだそうです。なので、こんな「たった一人の出版社希望」の私にまでちゃんとお電話くださって丁寧に説明会にくるよう教えてくださいました。その方の実績のためには今年出展を実現したかったのですが・・・ネ。ごめんなさい。
こういう理念は石積忠夫社長の『正直者はバカをみない』というご著書に全部書いてあります。説明会が終わって出たロビーで販売してらして、会場で社長のお話や運営のてきぱきさに感動したばかりですから即買って帰り、帰りの車内で夢中になって読んでしまいました。人生訓としてもお勧めの一冊です。