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2010.12.18 思わず衝動買い! 『源氏物語 紙の宴』・・・華麗な料紙の本です

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吉祥寺には大きな書店が幾つもあります。先日、欲しい本があって日本の古典文学のコーナーをまわったのですが、どこにも無くてあきらめた事件がありました。日本の古典文学コーナーはほとんど充実してないんです。

昨日、伊勢丹が撤退したあとにできたコピスに行ったら、なんとジュンク堂が出店していました。オープンのときに大々的に宣伝していたので知ってはいましたが、忘れてて、そうだ、ここにあるかな?って、例の探していた本を見に古典文学コーナーへ行ったら・・・

ここの古典文学コーナーは、先日まわったどの書店よりも充実。うなってしまい、見入ってしまいました。今度は迷わず最初にここに来よう! って思ってしまったのです。先日記事に書かせていただいた「文庫本価格で買える青表紙本源氏物語」も数冊、ありましたよ!

で、結局、私が探していた本は人気本だからか無かったのですが、別に、写真の『源氏物語 紙の宴』(書肆フローラ)があって、う~ん、欲しい!!!!! と、その場から離れられなくなってしまいました。お値段は6000円。それくらいして当然ですが、ちょっと気軽に買っていいという価格ではない、でも欲しい、またこれを逃したら今度探しても無いなんてことになる・・・ということで、買ってしまいました。

それにしても日本の紙の文化。これは凄いです。この本には名刺サイズほどの本物の和紙見本が添付されていますし、染めの説明も。表紙から想像する継ぎ紙の本ではなく、純粋に料紙の本ですね・・・。継ぎ紙の本は近藤富枝先生のがあるから、両方が揃えば鬼に金棒! なんて・・・

もともと私は「河内本源氏物語」という写本を追ってきたのですが、それは「写本」という言葉が独り歩きする架空の写本でした。文章のなかでの写本だったのです。が、先日の鎌倉の講演でスライドとして映しだしたら、私が頭のなかで追っていた「写本」には、実際の形という物体があったのですね。文章やお話で伝えるには言葉の「写本」でよかったのですが、スライドを作る際に、これはやはり写本そのもののスライドをお見せしなくては、と思って図録などから写本の写真をお借りして皆様に上映してお見せしたんです。

そうしたら、なんと、私がやっていた鎌倉の『源氏物語』という分野は、写本を土台にして見えてきた書誌学の世界だったということが浮き彫りに・・・。これには私自身が驚いています。昨夜も、講演にいらした方からのメールで、【織田さんには永井路子さんとは違った「鎌倉学」を開いてもらいたいものです。つまり、「将軍サロン」と「それに影響された北条一族」の知的フィールド(文芸・宗教文化)の開拓です。「書誌学」から広がった「鎌倉学」を望みます】とおっしゃって頂き、ここにも書誌学という語が使われている・・・と思ったばかり。

そういえばなんとなくなんとなくですが、鎌倉のあと、本棚を探って、以前買った日本の美術の『定家本源氏物語 冊子本の姿』(藤本孝一 至文堂)を出してつらつら眺めていました。これも、書誌学的思考になってきていたからなのでしょう。そこに「文庫本価格で買える青表紙本源氏物語」・・・、そして、今度の『源氏物語 紙の宴』・・・

面白くなってきました。写真下が、『定家本源氏物語 冊子本の姿』(藤本孝一 至文堂)です。

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