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2012.5.19 ツイッターの呟きを転載・・・写真を撮るということについてのいろいろな逡巡と思ったこと

5月7日
雨が降っているのをみていると、それはじつに様々なすがたで庭に落ちてくる。中央では、断続的な細かいカーテン(あるいは網目)だ、非常に軽そうな水滴の、執念ぶかいけれどもかなりゆったりとした落下、永遠に無気力な性急さ、純粋な大気現象の極度の微小部分の集団だ(フランシス・ポンジュ「雨」)

引用部分に「あるいは網目」とあってあまりに直結過ぎて気が引けるのですが、ポンジュは井筒俊彦さんの意識の網目なんですね。森敦さんの意味の変容は阿頼耶識…。言語は哲学の実践。そんなことを小説の講座でしつこく(失礼!)しつこく丁寧に教えていただきました。

5月8日
月下のラベンダー:月の光の撮影、今夜も撮ってみました。相変わらず手ブレですがかえって水墨画のような効果が…

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今夜の月は山吹色がかっています。時々少し雲がでて、上のラベンダーのときは月が隠れています。

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今夜は立待月というのだそう。6日の満月より欠けているのがわかります。

そういえば立川で発掘調査をしていたとき、江戸時代、その村で月に関する講がありました。何日の月だったか…。立待月講ではなかったのは確かだけど、そんなふうな名前。月下に村人が集うお講。なんて風流な風習!と思った記憶が。ペリーが浦賀に来た時代で村長の日記に黒船の記述がありました。

5月9日
今日の夕陽:一眼レフをマニュアルにしてわざとピントをはずして撮ったらこんな幻想的に。コンデジでこれは撮れない?こういう微妙に雲がかかった夕景は綺麗なので撮りにでて…

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5月10日
昼顔が群れて咲いていてそこに蜜蜂が蜜を吸っていたのを撮っていたら脇をてんとう虫が通りました。あ、と思ったのだけれどマクロで撮っていたのでてんとう虫はボケてしまいました。でも赤い色が可愛い!そして蜜蜂の羽が光っているのが綺麗!

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最近どうして写真が下手でならないのだろう記録写真にしかならないのだろうと悩んでいましたがわかりました。心がざわついていたからでした。写真をみると撮ったそのときの心のざわつきが見えてしまって嫌でならなかったのです。処理しきれない程の用を抱えてその合間に写真を撮って、では無理でした。

それで一昨日から用を減らす事にして生活面での断捨離を実行。しばらく籠って心に耳を澄ますことに。写真も心美しく撮ろうと心がけることにしました。

17:24撮影の東の空を覆っている雲。東北に達した先端に勢いがありました。嵐のあとの澄んだ青空を撮りにでて…

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そうしたら麦の穂がこんなに光っていました。

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5月12日
私の原点@『原中最秘抄』(池田亀鑑氏大成資料編)…ここのところ疲労がたまって心がざわざわしていました。書くために籠って懐かしい資料に囲まれたら、ああ、やはりここが私の世界だなあと。おのずとカメラもこういうものを撮りたくなります。

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5月13日
それにしても、事実上初めて接する光行70歳の筆跡がいかにもみずみずしいのには驚かされた。老人とはとても思えない端正さで、きびきびしながら運筆は流麗で、しかも力強く、世尊寺流の能筆とは異なるものの、品位を湛えたけだし名筆の部類(池田利夫先生「源光行自筆書状の進出をめぐりて」)

『源氏物語と鎌倉』所収の原稿のあとに池田先生の『源氏物語の回廊』が出版されました。そこに光行自筆書状の写真が…。あまりの流麗な筆跡に私も驚きました。こういう字を書かれる方だったのだ…と感慨。回廊には私の論の先の資料も出されています。今書いている原稿と整合性つくか、どきどき…

光行の自筆書状は、『明月記』紙背文書から発見されたそう。仲の良さを改めてほうふつ。

池田利夫先生は先だって他界されました。ついに『源氏物語と鎌倉』をお届けすること叶いませんでしたが、先生は最後まで光行を書かれていたんですね。私もそれらご論の合間に垣間見える歴史を埋めて光行の人生をさらに充実させたいと思います。

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