12月31日 ツイッターから転載…11月最後まで。鎌倉のある寺院を訪ねたこと、鎌倉世界遺産登録推進三館連携特別展の金沢文庫と神奈川県博のことなど
11月27日
鎌倉に向かっています。渋谷で湘南ラインのホームに向かう通路を歩いていたらふっと初めて鎌倉で講演させて頂いた日の朝が甦りました。あの日もこうしてこの通路を歩いたなあと。会場を貸して下さったのは昭和の民家を社屋にしていられる鎌倉投信様。社長の鎌田様はその日は山陰へご出張でした。
そうしたら鎌田様は思い切りお話下さいとその朝わざわざメールを下さったのです。湘南ラインの座席でそれを発見して驚きました。そんな事を思い出してふっと涙ぐんだら、なんとその日はちょうど二年前の今日11月27日。奇しくも同じ日に鎌倉です。甦りには不思議な力がはたらくのでしょうか。
妙本寺様のある山が紅葉し西陽が当たって綺麗でした@鎌倉
先日、この辺にお寺ありますか?と尋ねられた妙隆寺様山門。宗尊親王御所の北限とされています@鎌倉大町
11月28日
おはようございます。昨日は鎌倉である仏門の方とお目にかかりました。お話していておかしくて…、といったら恐縮ですが、禅宗の僧侶の方の独特の丁々発止の言葉の繰り出し方には時々笑ってしまうあっけらかんさが。仏教の笑いはいいですね。
「貴女の言ってる事は尤もなんですよ」とお電話を頂いた。だからと朗報を。1月に講演させて頂きます。私には当たり前の事が今までどうしても伝わらなかった。尤もだと、こんなにストレートに当たり前に受け入れて頂いたのは初めて。当たり前の事が当たり前になるまで大変です。
今日は満月。満願の日。しかも私にとって一年で一番いいことのある月。と思って一ヶ月頑張ってきましたが実りあるかも、の気がします。決まったらご報告させていただきます。
只今の満月です。
かかっていた雲が吹き払われて皓皓と照る満月を拝すことができました! 傍にあるのが木星? 満月の輝きのハレーションと木星の一枚を。
インタビューして頂きました。『湘南百撰』冬号「私の冬物語 木立に道に荒れ野に感じる気配をもとめて…」です。タウン情報誌なので鎌倉など湘南地域にいらしたらお手にとって見て下さい。
11月29日
金沢文庫に隣接する称名寺境内は満艦飾の秋でした。金色に輝く銀杏の大樹の向こうに金堂。苑池を見下ろす高台の広場は北条実時の寝殿造りの邸宅があったところです。
鎌倉の世界遺産登録推進に向けての三館連携特別展の二つ目、金沢文庫をやっと拝観。残りの神奈川県博も日曜まで。頑張って行きます! それにしても金沢文庫の展示の充実した事。国宝と重要文化財級の至宝だけの展示といった感じ。そこに親玄僧正日記のような初公開があって。堪能しました。
私的に嬉しかったのは、親玄僧正日記を観られた事に加えて、新古今和歌集竟?宴の巻物。優雅な筆跡で豪奢な仕様。他と一線を画して優美。コメントに宗尊親王の持ち物だったのがなんらかの事情で実時のものになったのではないかと。いつも思うけれど写本の世界は愕然とするほど京都制が優美です。
今日行った金沢文庫「鎌倉興隆―金沢文庫とその時代―」展。称名寺参道入口の赤門の前です。肖像の主は北条実時。風格ある立派な武士の趣です。
称名寺の仁王門です。今まで快晴の日が多かったので青空に建築が映えて写真としては綺麗な画像が撮れました。が、コントラストが強すぎて建築そのものは真っ黒。今日は曇天。こんなに綺麗に建築の仕様が見えたのははじめてです。
称名寺の庭園は阿字の池の中央に中島があって朱塗りの橋が架かる浄土式庭園です。反橋から見た実時の居宅があった平地には銀杏の巨木の金色が見事でした。それにしても今日は何と水鏡の綺麗なこと!
11月30日
神奈川県立歴史博物館「再発見 鎌倉の中世 掘り出された中世都市鎌倉」展の帰りです。これで鎌倉の世界遺産登録推進に向けての三館連携特別展すべてを制覇(そんな大袈裟なものではありませんが)、記念のクリアファイルを頂きました。
今更で恐縮ですが、昨日の金沢文庫、「鎌倉興隆」展には、入った正面にいきなり霜月騒動関連の古文書があって驚きました。この騒動は正式な記録がないところ、たしか東大寺だったと思いますが、何かの文書の裏にぎっしり騒動で亡くなった安達氏の方の名前が網羅して書かれていました。
金沢文庫の霜月騒動資料の件を図録より。「霜月騒動聞書 凝然筆『梵網戒本疏日珠鈔』巻第三十紙背文書」。東大寺戒壇院にいた学僧の凝然著作の紙背に、鎌倉の律僧から伝えられた合戦の記事や戦死者の名簿などが残され、この事件に関する一等史料となっている。
安達氏に庇護された律宗や密教の僧にとっても、命運にかかわる重大事件であったためであろうとのこと。