2014.6.23 ツイッターから転載…建長寺様鎌倉禅研究会に参加してと、NPO法人横濱金澤シティガイド協会様での講演のこと
6月19日
月曜日に撮って回った疲労が今頃出て今日の外出を危うく忘れそうに。日曜日が講演なのに大丈夫?と苦笑。でもこの緊張感のなさは半端じゃない。かえっていいかもと思う。日曜日が終わったらそれこそ本気に建長寺様の七夕講演モードに入ります。気持ちは万全を期しているのになのに今日の緊張感のなさ。
今日は建長寺様の鎌倉禅研究会の定例会。来月の七夕が特別例会として私の源氏物語の講演です。こういうご縁がなければ禅を身近に感じる等なかったけど、和田有希子氏『鎌倉中期の臨済禅ー円爾と蘭渓のあいだ』を拝読したから、横内裕人氏「東アジアのをつなぐ思想ー禅」はその延長で楽しかったです!
同じ仏教なのに旧仏教と禅と、なんだか全然違うと不可解でしたが、最近少しそれが融けてきました。と思ったら、中世でも南都の旧仏教の僧侶の方々が招来された禅の資料がそれまでご自分達の馴染んできた資料と全然違うと戸惑った等というお話に俄然親近感を覚えてしまったのは不謹慎かな?すみません。
一献あけての鎌倉駅です。
鎌倉の帰りの車中です。行きに緊張感の欠如ツイートして行ったのに、お名刺交換したらお二人も、ツイッター読んでます!と。それだけでなく、来月は私があの壇上にあがるのだと実感したら、途端に緊張感が蘇ってしまいました(笑)。でもその甲斐あって突然新しい構成が閃いて勇気出ての帰りです。
帰ったらツイートと思っていた事を。元文庫長の高橋秀栄先生のご講演「禅宗寺院の経蔵と守り猫」で、中世では【七月七日は虫干しの日】だったそう。『玉葉』や『明月記』に「書籍の蟲を払う」「文庫を開いて文書を払わしめる」とあるそうです。大江匡房が決めて、以来学問芸能に縁の深い日になったと。
建長寺様の今日の一枚。方丈の庭園です。池の水に青藻?が流れてきてマーブリングに。いつもは綺麗に澄んだ水。最近降った雨のせいでしょうか。はじめて見た水面の光景。
6月20日
二つの大きな円が見えてきました、《鎌倉の源氏物語》。以前は二つの大きな四角でそれは京都と鎌倉でした。円はたぶん平安時代と鎌倉時代になるでしょう。四角は重なっていませんでした。光行が移行して空間が移行。が、今度の円は真ん中が重なります。円は文化です。円の中で人間が生きています。
今度の考え方の中では二本の線があります。以前は一本でした。それが「青表紙本源氏物語」+「河内本源氏物語」=『尾州家河内本源氏物語』の系譜の線。今度の二本の線は「青表紙本源氏物語」と「河内本源氏物語」。そして『尾州家河内本源氏物語』です。『尾州家河内本源氏物語』は別の系譜です。
この考え方はまだどなたもおっしゃっていません。《鎌倉の源氏物語》を追って、歴史を見て、浮かび上がった構図です。論文に書くといいのでしょうけれど、昨日、折角建長寺様が講演の機会を下さったのだから、この路線で発表しようと覚悟しました。これからパワポ。楽しみです。
『源氏物語と鎌倉』執筆時には見えていなかった光行の鎌倉下向の謎が解けたのは、光行の俊成への『源氏物語』写本の質問年が建仁寺建立年と重なっていた事から。光行は京・鎌倉を繋ぐ任務をもって鎌倉に下向し、頼朝・頼家・実朝に仕えた。鎌倉で平家の方々を偲ぶ為に『源氏物語』に着手したのでした。
というふうに、昨年も建長寺様で講演させていただいていますが、内容が深まっていますので全然違ったスケールでお話できると思います。
6月21日
明日はNPO法人横濱金澤シティガイド協会様のお招きでさせていただく講演。金沢文庫のボランティアガイドもされています。なのでテーマは「北条実時と源氏物語」。実時に絞って鎌倉の源氏物語を見直すいい機会をいただきました。今パワポの最終チェックを終わり、これから荷造りをしたら寝ます。講演は皆様と触れ合う素敵な場。楽しみです。
6月22日
おはようございます。無事に起きて講演会場に向かっています。なにはともあれひと安心。先日禅研究会に行って建長寺様の空気を吸ってからもうずっと七夕のパワポにかかりたい逸る気持ちを押さえています。今日が終わったら後二週間、七夕の講演に向けて、これまでの集大成として全力でかかります。
羽田空港を離陸したばかりの急勾配で昇っていく飛行機が見えています。羽田というと思い出すのが中上健次さん。羽田の整備工場で働いていらしたから、あるエッセイに原風景として機体が真上を飛んで過ぎるあの辺りの事を書いてらっしゃいました。私も羽田で写真撮っていたから、その感覚わかるなあと。
セッティング、無事完了。ここまでくると安心です。講演「北条実時と源氏物語」。初めて金沢文庫の地元に乗り込んできました!まずは地元の皆様にここに源氏物語があったという事の偉大さを知って頂きます。
講演を無事に終えて帰りの車中。今日はこうやっていったい何回「無事に」を呟くのでしょうね(笑)。とにかくこんなふうに毎回無事にを祈る気持ちです。呟きたい事はあるけれど、やはりどっと疲れが出て車中少し休みます。