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2015.12.19 ツイッターから転載…宝塚劇場『新源氏物語』観劇とか、12月いっぱい『源氏物語』に浸るつもりで岩波『文学』を拝読など・・・

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タウンニュース誌鎌倉版コラム
http://www.townnews.co.jp/0602/2015/12/11/312396.html

12月13日
もう五時。雨戸を開けたら明るいのかしらと思いつつあえて開けずに夜を保つ。仮寝をしたから気分は爽快。この時間帯が私にはいい。岩波の『文学』源氏物語特集を堪能しています。増田繁夫氏「自尊心と主体性」、成る程でした。氏はこれが源氏物語の隠れた主題と。自尊心、たぶんこれは紫式部のこと。

王子様と出逢い我身の程も躊躇しない昔話と違い、源氏物語の女性は紫上も空蝉も大君も明石も、「この物語の女たちはいずれも強固な自尊心を内に秘めて、誇りを失わずに生きることを心がけている」←いいですね!誇りを失わずに…。「わが身の程を心得て対処するリアリズムを身につけている。そうした姿勢はこの物語の女性たち一般に共通する顕著な心性であり、この物語の書こうとしたものの一つであった。」

12月15日
宵の三日月。淡い色の暮れゆく空に細い梢のシルエット越し。綺麗です。

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宝塚劇場『新源氏物語』を観にきました。プログラムを見たらこの作品の初演は1981年。榛名由梨さんが光源氏でした。この時観ていて以来忘れられなくなっていて、今回の再演を楽しみにしてました。この時の藤壺が上原まりさんで、惟光・夕霧が大地真央さんだったとは。全く知らなくて、やはり宝塚はトップの威風が凄いです。

そういえば2008年「夢の浮橋」も観ていますが、これは宇治十帖の舞台化で主人公が薫とはいうものの匂宮も同等の扱いでしたから瀬名じゅんさんと柚希礼音さんは一緒に記憶。本編が舞台の源氏物語の華やかさ・求心力に欠けるのは『源氏物語』本編と宇治十帖の違いをそのまま表しているかのよう。

12月18日
八木書店様から送っていただいた『明月記研究』第14号出版案内のチラシ。目次を見て目を丸くしています。欲しい~、と。『歌道事』をテーマに文治4年~正治2年なんて!創刊号より20年間、ここで一旦の区切りだそうです。明月記研究…、どれくらいお世話になったことでしょう。

一緒に「尾州家河内本源氏物語」カラー版影印本全10巻のチラシも入っていました。いつ見てもわくわくします。鎌倉の方にこの実物を見ていただきたい、存在を知っていただきたい!というのが私の活動の本筋。「河内本源氏物語」問題が一応の決着をみたので今度は「尾州家河内本源氏物語」!

12月いっぱい源氏物語に浸ると決めて目下満喫中ですが、来年からかかる予定の仙覚さんの原稿をお知らせした方から今お便り。拝見して心待ちにしてくださるご様子に、う~ん、これはかかるしかないなあと。源氏物語があまりに豊饒なのでもう万葉集に戻る気分が吹き飛んでいるのです。

ようやく吉祥寺のジュンク堂書店に行って『書物学 6』(勉誠出版)を購入してきました。気になっていてなかなか出向けなかったのです。小特集「清原家の官・学・遊」が目的。実時の漢籍の師清原教隆についてもっと知りたいから。それとは別にこの書物学、贅沢で、創刊号から魅せられてます。

メモ: 岩波『文学』の中川正美氏「源氏物語の文体試論ー形容語の言いきり終止ー」…心にとめておきたいご論でした。言いきり終止とは「あはれなり、心にくし、のような形容詞や形容動詞の言いきりで終わる文構成」のことで、「語り手でも作中人物でも、他の誰でもない、彼方からの声と感じる」。

「作者・話主とは別に作品の背後に享受者がとらえる創作主体の存在」(根来司氏)、「次元の異なる叙述に膨張する」(渡辺実氏)。「享受者の頭の中に響く彼方からの声で、享受者はその声に共感する。そこに一瞬の感動が生じ、間が生まれる」。→いとあはれなり、のような語は源氏物語にあまりに溢れて

いるから、まさかこの語法でそんな異次元にまで飛翔するご論があって、しかも先行研究まであるとは! 熟読しても味わい尽くせないくらいに深いご文章でした。こういう文体論ははじめて。そのことに驚く。もう一度たどり直します。結局、紫式部の文章の人間離れした凄さというしかない、という感じ。

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