2016.11.30 ツイッターから転載…小説『仙覚』覚書(15)。金沢文庫忍性展のこと。真観の鹿島詣での謎。
11月24日
おはようございます。雪は小降りになって霙のようにも。盛んな時に公園に撮りに出たかったのですが止めました。もうそんなことをして風邪をひいている場合ではないですものね。50年ぶりの11月の雪の記念にベランダのローズマリーを。
メモ: 光能が福原京にいる時に文覚が訪ねてご白河院に取り次いで貰って平家追討の院宣を貰う。(平家物語)。愚菅抄はこれを否定。盛衰記には外戚関係とある。←この時すでに足立遠元娘は嫁いでいて30歳位。三年後、光能没。比企の乱まで20年と少しで、足立遠元娘は50歳半ば。基子さんの姉。
もともと私の作品は思念の連なりといった感じでこれを小説と認めたくない反対派の方もいられるほどだったけど、絶対的に支持して下さる方もいてマイペースを貫いてきました。でもここにきて今までのは散文詩だった?と思うくらいに仙覚の小説は思念の連なりで済まない。研究に入ってしまいそうです。笑
宗尊親王の歌の師の真観こと葉室光俊。そして足立遠元娘が藤原光能に嫁いで光俊という男子を産んでいる。前から気になって何回も別人と確認しているのですが、やはりもしかして?とまた確認したらはっきり別人と書かれてました。仙覚が親しくなる光俊。仙覚の伯母の子にも光俊。偶然にしても近すぎる。
連ツイ済みません。仙覚が京都に潜伏した時に誰がその世話をしたかの可能性を探っています。系図では歳の近い叔父の円顕がとなっていますが、ただそれだけでない気がしてどこかに繋がりがないかなあと。
メモ: 真観の鹿島詣での論文をチェックすること。真観は関東に下って鹿島神社に参拝する。仙覚も常陸の人といわれてきた。さらにここにきて忍性がやはり関東に下るとすぐに鹿島社詣で。しかも真観と仙覚は親しく、忍性も笠間時朝を介して仙覚と繋がりそう。鹿島神社、謎です。
11月25日
メモ: 寛元4年1246仙覚寛元本万葉集。建長5年1253仙覚後嵯峨院に奏覧。建長8年1256真観鹿島社詣。文応元年1260真観鎌倉下向宗尊親王の歌の師範に。文永2年1265仙覚文永2年本万葉集宗尊親王に献上。←真観は鎌倉下向より前に鹿島社に詣でている!
称名寺。今日の最高の一枚。金沢文庫忍性展後期を観にきました。帰りに称名寺庭園に回ったら丁ちょうど夕陽が沈む時間に遭遇。こんな光景に出逢うなんて。
忍性展は三回目です。前二回は内覧会と文学散歩でしたので大勢の中。今日はゆったり一人で浸りました。近年になく興味深い展示なのは忍性に限っての構成だからでしょう。事物が美術品的価値や学問でなく人の思いに関わるものだから意味が有機的。忍性というある意味マイナーな方のだからそれも新鮮で。
これも凄い一枚。称名寺仁王門が夕陽に輝いて、しかも奥の苑池が錦繍に輝いて。
昨日の真観一連。兼岡理恵氏「真観と風土記」を持って出る→車内で読んで真観の鹿島社詣では鎌倉下向より前を確認。建長8年→何の目的で?笠間時朝関係?の疑問が再燃→時朝が宋版一切経を奉納したのは何年?→忍性展で確認。建長7年→真観はその翌年に詣でてると思う→金沢文庫図書室で志村士郎氏の
『東国文学圏の研究』をみつける→仙覚は鹿島社の社僧説の方だから鹿島社についての詳細がわかるかもと期待してコピーして帰途→車内で読んで真観の鹿島社詣では3ヶ月にも及んだと知る→京都のお公家さんがわざわざ常陸に、本当に何の為に?…と、昨夜はここまで。これから続きを拝読します。
11月26日
おはようございます。昨日の金沢文庫忍性展は堪能しました。益性法親王書状3点は通常の覗き見る陳列ケースでなく額に入って壁に飾られていて、亀山天皇皇子の書状だから?となんとなく嬉しく。京都の天皇の皇子の鎌倉のご滞在。それが称名寺と極楽寺にのみ関係している凄さ!それに震撼するのですが。
この忍性展。拝見してよかった。これまでの忍性観が一変しました。私は鎌倉寄りの情報ばかりで認識が偏っていました。何より凄いと思ったのは唐招提寺の「東征伝絵巻」。鑑真和上の生涯を描いたこの絵巻を忍性が制作して施入しているんです。忍性の文化力、経済力、人脈の一流性を初めて認識しました。
内覧会で唐招提寺のたしか長老様がいらしていて、?、となり、事情がわからないけれどこの方を拝謁できただけでも来た甲斐があったなどと思いつつ帰ったのですが、忍性の功績はそれ位偉大だったのでした。東征伝絵巻は立派で、前にも観たことがありますが、まさか忍性の制作だったなんて!
展覧会は行かないとわからないというのは惜しいですね。ただの忍性展というだけでは一般の方の気を惹かない。興律750年記念というも意味はあるけど、やはり一般の方には関係ない。なにか一般の方を惹きつけるポップな話題を見せて惹き寄せたら世間の一般認識が変わっていくのではないでしょうか。
↑ここ数年、源氏物語と万葉集の講演をしての結論です。どちらも重要度は一緒なのに、源氏物語というと華やかだから皆様ぐっとご関心。万葉集になると眠くなる方も。私はスライドを使っているのですが、テーマに関係ない綺麗な花の写真には凄い反響があるのに大切だけど地味な史跡写真は見逃されます。