9月6日
タウンニュース鎌倉版コラム第20回「鎌倉と繋がり深い 後嵯峨天皇の四人の皇子」の掲載が明後日の9月8日号と連絡を頂きました。
BSNHK「ダイアナ妃心の真実」。今までで一番深い、一番辛い番組でした。ダイアナ妃の慈善活動は王室から拒絶されたダイアナ妃だから、社会から拒絶された人の心に寄り添うことができた…、でも国民の支持を受けることを潰したかった皇太子側に対して妃は潰れるのでなく闘うことを選んだと。
ダイアナ妃が闘う強い女性であってよかった。王室は妃の強さをみくびっていたと。こういうことってありますね。潰れるかと思うと逆に真の強さを目覚めさせてしまうということ。←目下取り掛かっている仙覚の小説に登場する様々な立場の女性たちを考えています。同様に辛い運命に闘った彼女たち。
番組の作り方ってこういうものなのだなあと思いました。今までの民放のダイアナ妃追悼番組は妙に最後を純愛に持っていこうとしたり、今日のNHKのを観たら外側をなぞっているだけだったと思えてきて、ロマンスとか謎解きの妙な飾りは本質に突き刺さることを逃してしまう。
雲間から満月が見えたので撮りました。撮っているあいだも雲が流れて見えたり見えなかったりでした。

毅然とした態度とスピーチが説得力を生む。ダイアナ妃のことですが、離婚前だったか後だったか自分の道を探すようになった時にスピーチを習い始めたと。スピーチの講師は妃の本質を見極めてそれが態度に出るように指導。指導されている間の妃はほんとうにふつうの女性でした。身についた時に毅然性が。
自分を潰そうとする人たちと闘う意思を決めた時に習うことにしたのがスピーチ。それが凄いですね。それも自分が国民の前に出ると国民が喜び大いなる救いになるのがわかっての、その力を生かすための努力。私たちがTVでふつうにダイアナ妃と思って見ている妃の態度は努力の賜物だったのでした。
私がダイアナ妃にこだわるのは、源氏物語に限らず、例えば後鳥羽院宮廷とかとはずがたりとかはたまた鎌倉将軍御所でとか、ダイアナ妃のような結婚後の苦しみを背負った人はたくさんいるのに、誰一人独りで立ち上がって慈善活動に精を出した人はいないから。その強さとか真意とか無関心でいられません。
9月7日
プライドですね。昨夜の紫式部と清少納言の番組で最後に一言時代考証の方が言われた。清少納言が枕草子に定子の惨めな現実を書かなかった理由。よく定子のためなど美談で言われるけど私は承服しかねてました。作者のプライド。それならわかる。BBCのダイアナ妃番組でも、王室は妃をみくびっていた。
王室は妃を潰せると思っていた。だが貴族で育った妃のプライドがそれを許さなかった。潰されるより闘うことを選んだ、と。品格あるプライドが屹立すると普遍をもたらすのかも。(まだダイアナ妃の番組に拘泥中です。)
このプライド、仙覚の小説に生かすなら、やはり竹御所でしょう。今まで内に秘めた意志の強い女性とばかり思っていたけど、二代将軍頼家の娘としての決然としたプライド。それはもう単なる復讐心を越えています。
お出かけ途中の車内です。枕草子が作者のプライドか定子への美談かということと、ダイアナ妃番組のBBCと日本の民放番組の制作態度の違いが同じに見えてきました。美談に流されたら本質を見失う気がする。
今日の道中のお供は小川靖彦先生の『万葉集と日本人』。私のバイブルのような一冊です。
もう暗記が物凄くダメになっているから、バイブルのようにしょっちゅう道中のお供で拝読しているのにいつも始めて読むみたいに目が点になることばかり。なのにそこにはしっかり黄色のマーカーが引かれていて、さらにその上から赤いボールペンの線まで引かれていたりして、そのことにさえ驚いて。笑
第三章(7)紫式部が読んでいた『万葉集』。この章も何回も拝読しているけど、今見たら写真のキャプションが「広瀬本万葉集」。慌ててその辺りを読み返しました。広瀬本ということの意味を昨年晩秋に知ったばかりです。
乗り換えて最後の線。先程の広瀬本のこと。広瀬本で平安時代にはまだ山上憶良の貧窮問答歌は訓点がつけられていなかったことがわかり、それで紫式部が万葉集を二十巻本の漢字本文で読んでいたことがわかるのだそうです。貧窮問答歌は末摘花などに生かされているそう。
湘南新宿ライン線から見た岩船地蔵堂。大姫の守り本尊が祀られています。この奥が浄光明寺様で亀谷切通。この一帯は鎌倉時代は京から下っていらしたお公家さん方が住んだ高級住宅地でした。北鎌倉発車後、トンネルを出るとすぐ見えます。

ふう〜っと腰をおろしてソファに寛いでいます。怒涛の一日が終わっての打ち上げ後、駅の改札で皆様を見送って一人反芻の珈琲タイム。京都からいらした講師のお坊様も新幹線で今頃はどのあたりでしょう。はからずも鴻臚館展の話題がでて、行かれる人も。いいなあ! 運慶展の話題も。
乗り換えて、でもまだ地元線にはほど遠く。TLに直虎のお坊様集結写真があったけれど、今日私が過ごした空間もまさにそうでした。凛として清々しく爽快です。鎌倉のお坊様に京都のお坊様、そして博多の。話題は宋や明の禅宗について。国際的でもありました。
まだ乗り換えて最後の地元線の途中です。建長寺様での今日の一枚。蓮の花は最後の一輪。その花びらがひとひら。

帰宅しました。ひとまず休んで疲れをとります。それにしても今日の鎌倉禅研究会。内容が濃くて素晴らしかったのはいいけれど、私にはfacebookページにまとめるという作業が……。先月の講師の先生からはご丁寧なメールを頂戴したけれど。なるべく日が空かないうちに頑張ります。