2020.10.30 ツイッターから転載…日々雑感 山中智恵子さん『斎宮女御徽子女王』と西本願寺本三十六人集のこと&NHK歴史ヒストリア源氏物語若紫発見と実朝歌碑から光行さんのこと
10月29日
今見たらもう雲が広がっていますが 昇りたての十三夜の月は煌々として綺麗でした
えっ 時房タリーズ閉店! と驚いたら儀平さんも そして儀平さんは既に…… しばらく行ってない間に儀平さんが…… なんか 世の中の変わりようが怖い
山中智恵子『斎宮女御徽子女王』はじめにより: 『大鏡』や『栄花物語』によって、高雅で美しく、さながら荻吹く秋風のひととして、まことにさびしい俤のみを伝えている徽子が、後宮の女御更衣や女房たちと、むしろ寛潤に交友し、梨壺の五人の源順や大中臣能宣、『三宝絵詞』の源為憲等の文人たちとの
豊穣な交流……こういうことが徽子女王の家集を読み解くことで映し出されるそうです(私は栄花物語のなかの後宮での徽子女王のあり方に疑問を持って それで山中智恵子さんのご本を読むことにしたのですが やはり でした)
10月30日
NHKヒストリア源氏物語若紫の回 いい番組でしたが光行さんを研究して鎌倉の源氏物語をご紹介している私としては 河内本が全く出て来ないなあ 番組の編成上仕方ないのだなあと思っていたら それを指摘して下さっているツイートに出会ってRTさせて頂きました 15年前 私が鎌倉の源氏物語を始めた時 写本と
いっても何方もご存知なく(一般の鎌倉市民の方に) 講演でお話しても 展覧会では墨文字の文章ばかりであんな地味なものにそんな背景があったんですね と驚かれました それが今は 写本発見! などと画期的ニュースになる 時代が変わったなあと 私は一人番組を見ながら感慨していました 鎌倉でも河内本の
認識が広まって 私は講演活動から手を引き 今は小説に身を入れていますが 万葉集の仙覚さんが主人公だから 同時代の光行さんや定家を書こうかでも書くとまた広がるし〜と悩んでいました ヒストリアを見て 省略された光行さんを思って やはり華鏡に光行さんの源氏物語活動は入れよう! と思ったのでした
先ほどのツイート補記: 同時代の と書きましたが 仙覚さんと光行さん定家が同時代なのではなく 仙覚さんの万葉集や光行さん定家の源氏物語活動が生まれる地盤が 平安後期から鎌倉中期 という意味での長いスパンでの同時代です(なので目下鎌倉中期に辿り着くために平安後期の白河天皇を書いています)
こういうことを書くのはどうかなと憚られて遠慮していましたが ちょうどいい機会なので少し 実朝に定家が万葉集を送った裏にも光行さんの功績があって 私はそれを学会の機関誌に随想で載せたのですが 同時期に発売された研究者さんの実朝本には光行さんの存在はありませんでした まだそれを書いた論考
には接していません でもこれから何冊か実朝本が出るそうですね そこで何方かが書かれていたら 私の随想は役立ったと喜ぶべきでしょうか 鎌倉の光行さん関連でもそういうことが幾つかあって もうそういう思いをするのは嫌! の思いで小説に移行しました 小説でみんな書こうと思っています
源光行の存在と功績を知って頂きたく再掲 掲載誌『解釈』2019-1,2月号が発行された時に載せた気がします 実朝に定家が送った万葉集は鎌倉右大臣家本として仙覚が万葉集の校訂をした時に使った四つの写本の一つです
実朝が万葉集を定家から贈られた時 光行さんは長年暮らした鎌倉を離れて京にいました 大江広元婿の飛鳥井雅経も後鳥羽院に召されて帰京しています 三人は親しく京で独り鎌倉に残された実朝を心配し合っています 私はその三人を 京都実朝応援隊 と勝手に名づけて支援しています
鎌倉市に実朝の歌碑は石碑としては三基あります ①鎌倉国宝館「山はさけうみはあせなむ世なりとも君にふた心わがあらめやも」②鎌倉商工会議所「箱根路をわが越えくれば伊豆の海や沖の小島に波のよる見ゆ」③鎌倉海浜公園「世の中はつねにもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも」です
山中智恵子さんの『斎宮女御徽子女王』を拝読していたら 西本願寺本三十六人家集に斎宮女御集があって えっ! となってウィキで見たらたしかにある 頭が混乱して年譜に戻って混乱の理由がわかりました 白河天皇の時代に作られたということで調べていたからなんか時代がごっちゃになってしまってました
西本願寺本三十六人集の本が今日届く予定 源氏物語や万葉集の本は揃っているけど コロナ禍の自粛で閉じ籠ってから調べる必要が出たのは もう終活を目指して本は買わないと決めたのに買うしかなく何冊になったでしょう 昨日山中智恵子さんの本が届いて 今日西本願寺本三十六人集 これでやっと最後かな
西本願寺本三十六人集の書写者の一人が白河天皇の女御道子さんで 彼女が伊勢斎宮に選ばれた娘に同行して伊勢に行った ということで同じく娘に同行して伊勢に行った斎宮女御徽子女王が浮上し それで今山中智恵子さんの斎宮女御を拝読しているのですが ほんと もう混乱 です笑
届きました 日本美術全集9『王朝の美術 源氏物語絵巻と三十六人家集』 大型本です 探していてないだろうなと思ったら中古であって お高いんだろうなと思ったら1000円 即買しました 開くのが楽しみです
最後にきました 欲しかった西本願寺本三十六人集についての情報 ほんとうは道子さん書写の凡河内躬恒集の写真を見たかったのですが 原寸大カラー写真口絵は装飾料紙の綺麗な4冊だけ がっかりしてたら解説に小さな白黒写真が 仕方ないなあと思っていたら今まで読んだことのない情報 使わせて頂きます
白河天皇期のために本を買うのも 白河天皇期を書くのも これが最後と思います それで 最後にきました と最初に呟きました 最後という意識 これを自覚することは重要と思います 自分が引き締まります