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2021.12.7 Twitterより転載……梅原猛氏『水底の歌』と出逢って『華鏡』の構成が大きく変わりました

長いご無沙汰でした。10月10日に、11月27日の鎌倉ペンクラブの講座【比企一族の女性たち―その興亡と『万葉集』―】のお知らせをしてからずっとその準備のパワーポイントの作成にかかり、そして当日講座を無事に終えることができました。

それからやはり少しぼうっとして何日か過ごし、だんだん講座の日以降のことが反芻されて、Twitterにはその都度呟いていたのですがこちらにまで手がまわらず失礼をしていました。やっと心の区切りがついたのでご報告させていただきます。

結論を書いてしまいますと、講座のあとの打上げや二次会で編集者だった方とお話して、『紫文幻想』を読んで頂いたその方から「織田さんは梅原猛の『水底の歌』の路線を行くのかも」と言われたのがきっかけでした。私はそのご著書を拝読していなかったのですぐ古書で購入して読みました。

驚愕の書でした。これは副題が「―柿本人麿論―」だったんですね。今まで曖昧だった人麿についての曖昧だった印象がしっかり見えてきて、それが誤った研究史とそれを信奉するそれ以降の万葉集研究者の方々によって真実が見えなくなってしまっている、という内容でした。まさに私の『紫文幻想』と同じです。

そんなことから見えてきた『華鏡』の書き方を変えよう! と決めるまでのTwitterの呟きを転載します。長くなります。

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11月30日

朝TLで天上の虹という作品があると知って検索したら そうっかこれは源氏物語におけるあさきゆめみしで だから万葉の装束や内親王ファンがいられるのだと納得 そしてその先に長屋王残照記があるのに気づきkindleで購入して読みました まさに比企の乱でした 不比等とか長屋王の名前を伏して読んだら 時政

 

や誰彼になる この時代に万葉集が作られていたんですね 仙覚さんの功績を知って貰うために小説を書いているのだけれど 私に絵心があれば天上の虹のような漫画にするのがいい とまで思ってしまいました いつか何方かの漫画化を待って その原作となる小説をすればいい と今朝思いました 華鏡ではダメです

 

そう 華鏡ではダメ を今朝凄く思ったのでした 仙覚の功績を知って貰うという当初の目的から凄くずれて膨大になりすぎて これは先日の打上の席での編集者だった方との会話の影響もあってのことで 転機かもしれません

 

12月1日

おはようございます 講座が終わってこの世界が戻ってきたのだなあとしみじみ 写真は紫文幻想に使ったご本たち 本棚に入れられなくて積んだままの 鎌倉に通った十年間 寺院の方とのお付き合いが殆どだったから香水を使えなかった 講座の日から香水も戻しました 気づくと香る 幸せ

 

万葉集の世界をざっと見てみました

 

12月2日

おはようございます 昨日の玉川上水べり&井の頭公園西園の紅葉は圧巻でした 一昨日は心に余裕がなくあまり堪能できなかったので最高潮の今の内にもう一度と行ったのでした モミジってほんとうに色づくと凄いですね ふだん見ている木がこんなに といつも打たれます

 

疲れていないと思っていても深いところで疲れているのでした 昨夜は万葉集の成立について読みながら寝落ち 地震も知りませんでした 起きて ふっと 気持ちが整理ついたかも と思いました 講座の事後 個々のことを反芻しても気持ちで総括できていなかったんですね 気持ちが整うって時間がかかります

 

古書で注文した本が届きました しばらくこちらを拝読して過ごします 元編集者さんに言われてピンときたご本 人生を変えるかもしれない上下二冊 大袈裟かもしれないけどそんな出逢いの気がします

 

ある方からレジュメを欲しいとお電話頂き一部プリントしました 公ではない活動だけれどおそらくそれよりゆたかに広がっています もっとゆたかに広がっていくために書きます 文学という形式で

 

今朝だったか気持ちの整理がついたとツイートしたのは 講座の後に見えてきたものがあって そこに向けてスルッと過去から抜けて移っていく魂のような蜻蛉のような揺らいだ気配が見えたからでした なんかおかしなツイートですが

 

骨肉相食むとか生き馬の目を抜くとかそんな言葉をしょっちゅう感じたり そうした目に遭っても誰も助けてくれなかったり の環境を抜け別の世界で生きることにしたのだけれど 書く小説はまさにそれだということを思い出して 仙覚を書くということはまさにそれだったと 万葉集に関しての渉猟を終えて

 

客観的になったからたぶんこれから違う地平で書いていく気がする

 

12月3日

おはようございます 地震で起きました 古書で買ったご本を拝読しながら寝落ちしていました はっきりわかったのですが はっきり言いたいことを書く なのでした 私にはそれができていなかった はっきり把握していなかったしはっきり言うことに忖度があった この方は歴代の有名どころの定説でも

 

おかしいと思ったことは最初からあっさりばっさり切り捨てられてる 言いたいことを最初から言いたいと言い切っている こんなに小気味いい書きぶりって初めて読みました それで私は何を言いたいのだろうと考えて 仙覚さんの小説を書くということにこだわるあまり言いたいことを忘れていたのに気づき

 

そこで寝落ち 漠然と仙覚の小説では言いたいことは書けないと感じながらでした でも地震で起きたら解決していました 初心に帰ればいいんです 源氏物語の写本に実時の奥書をみつけその秘密の解明から始まったことを 『華鏡 ―尾州家河内本源氏物語と西本願寺本万葉集の歴史―』 タイトルはこれです

 

ほんとうに 私 なにを忖度していたのだろう 凄い今までもやもやと心を包んでいたものがとれて明解になっています 毅然として書く それですね

 

図書館に行かれないからもっぱらkindleで 里中満智子さんの長屋王残照記もそうだったけど 今 中西進『古代史で楽しむ万葉集』を購入しました

 

通底は乱 藤原氏による一連の乱から比企の乱へ その結果遺された知的遺産 源氏物語と万葉集 と そこまで思念がたどり着きました 長屋王からはじめようかと

 

朝から古書で買ったご本を拝読しています 面白くて 手前の伊勢集の葉書は栞に使っているものです 本に書き込むのを止めてから身につかなくなったので これは古書だしもう私の後に何方かが読むこともないだろうと 最初から思い切り黄色いマーカーで線を引いています なんか 文体以上に仙覚の核心が

 

ずっと古書で買ったご本を読んでいました こんなに時間をかけて読み通すのは初めてかも の集中でした 上巻をあと少し残して一旦中断 疲れてぐったり でも気分は昂揚しています

 

12月4日

おはようございます 講座後の打上で元編集者さんに 織田さんはあの人の路線をいくのかも と言われて古書で買った梅原猛『水底の歌』 ピンとくるものがあって昨日一日熟読しました やっと上巻を終わってツイートしたいことはたくさんあるのですがこれだけをまず 私が仙覚研究にとりかかったのはたまたま

 

尾州家本源氏物語と関連して西本願寺本万葉集が出てきたからですが 仙覚でよかった! と嬉しかったのは 梅原氏が契沖以降の江戸時代の国学を批判していて それが私の感じていたこととぴったりで胸のすく思いがしたのでした なんか江戸期以降の研究に拒否感あったのですが謎が解けました そして 仙覚の

 

研究の正しさ! このご著書で梅原氏は柿本人麿が流刑に遭って水死させられたというご論を書いていられるのですが その辞世の歌の読みを仙覚が正しく伝えていると 人麿の水死論は一般的でなくそれでこのご著書も非常な批判の的に曝されたわけですが 仙覚はなんと水死を辞世の歌に読み取っているんです

 

そしてその論証の言葉が 源氏物語蜻蛉巻を揚げて 水底に沈む浮舟の例を! 仙覚は源氏物語を読んでいるんです! 私もこの箇所は知っていましたがそういうことだったんだ~とやっと理解しました と こんなふうにこのご著書 驚きの連続です ちなみに元編集者さんが私に呟いた織田さんはの意味は 紫文幻想

 

がまさにこのご著書と同じく源氏物語について今まで誰も書いたことのない論を(モデル説など)書いているからです 発表したら非常な批判の的に曝されるだろうの覚悟はできているけど まず無視されるだろうなの予感のほうが強いです でも発表します なんらかの方法で

 

昨日 このご著書を拝読し始めてあまりにあっさりばっさり旧論を切り捨てられているのが爽快で 私にはそれができていなかった 何を忖度していたのだろうと呟やいたのは これを発表したら国文学界の先生方に楯突くことになる という申し訳なさがあったからでした 怖れではなくです でもそれは抜けました

 

考えてみると梅原氏のご本は私には驚くべきことなのでした ずっと仙覚が万葉集の研究に入ったのは崇敬する円仁の悉曇章にあった万葉仮名の影響と思っていたのですが 仙覚が柿本人麿の水死説を知っていたとしたら 比企の乱で一族を滅ぼされた仙覚には藤原氏によって滅ぼされた人麿は他人事ではなかった

 

仙覚の万葉集研究の根幹に柿本人麿があったなんて!

 

朝から連投ですみません 梅原氏のご著書で驚愕したのは 柿本人麿の失墜が藤原不比等による藤原氏の権力が確定したことによるもので 不比等は権力に楯突いたら人麿のようになるぞとの人民への恐怖を植え付けるために殺されたと 大宝律令ができた年から人麿が登場しなくなるのです 私の紫文幻想の根幹が

 

藤原氏による菅原道真や紫式部の父たち(花山天皇)への弾圧で それが仙覚の比企の乱と重なっていく というのが華鏡なのでした その藤原氏の最初の不比等! 華鏡の最初はここからなのですね 書き直そうと思っています

 

12月5日

梅原猛『水底の歌』下巻をもう少しで読み終わるのですが 拝読して『華鏡』の構成が整ってきました まずタイトルを『ー柿本人麿論ー』に倣って『ー万葉集&源氏物語論ー』にしようかと そして人称ですがそれは私 小説として書いていたから人称が難しかったのでした 水底の歌のように語っていけばいいと

 

新しくものごとを始める新月 ということで始めました 『華鏡 ー万葉集&源氏物語論ー』 柿本人麿の辞世の一首から始めます

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