2022.12.23 『歴史研究』第706号(2022.12月号)に「内親王の密通」を載せて頂きました
『歴史研究』第706号(2022.12月号)に「内親王の密通」という短い文章を載せていただきました。
鎌倉の万葉学者・仙覚の小説の前編『華鏡 紫文幻想』は、『万葉集』研究の最初として平安時代の村上天皇の命で万葉仮名の訓点作業をした梨壺の五人をメインに書きました。
梨壺の五人の一人に源順がいます。その源順を調べていたら『和名類聚楽抄』という日本で最初の辞書を作った人とあり、『和名類聚楽抄』を調べたら醍醐天皇の第四皇女勤子内親王が命じて作らせたとあります。
それで勤子内親王を調べたら、なんと、この方が村上天皇の朝廷で右大臣だった藤原師輔と密通・結婚しているのです。
そんなことから、え?、え?、え?、となって芋づる式に調べていって出した結論が、紫式部が『源氏物語』を書いた時、勤子内親王が藤壺のモデルではないかということでした。藤壺は言わずと知れた光源氏と密通した内親王です。そして、勤子内親王も藤壺も第四皇女なのです。
詳しいことは煩瑣になりますのでここでは書けませんが、面白い論が書けたと思っています。