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2024.5.27 Twitter(X)から転載……源氏物語と長恨歌の関係 源氏物語のテーマは「失った愛への長恨」でした、昨日の記事に追加として

昨日、丸山キヨ氏『源氏物語と白氏文集』に触発されて見えてきた紫式部の『源氏物語』への創作の原点が白楽天の「長恨歌」だったということの総まとめを記事にしてアップしました。

そうして戻った丸山本の読書で、それをさらに深めてまとめたようなご文章に遭遇。よほど昨日の記事の最後に追記しようかとも思いましたが、総まとめの論点を一心に絞ったようなご文章なので、新しい記事にしてここに載せます。

それにしても、『源氏物語』のテーマが「失った愛への長恨」とは。こんなこと、聞いたことないような。たしかにそう言われればそうなのですけれど、今迄のテーマみたいな括りといったら「亡くなった美しい母親の像を求めて光源氏が女性遍歴をする話」でしたよね。あくまでも主人公は光源氏。でも、丸山キヨ子氏の「失った愛への長恨」というと、桐壺帝が更衣を、光源氏が紫上を、薫が大君を、というふうに三人が主人公になるんです。そして、それがほんとうに理に適っている。

私は今迄何を読んでいたのだろうと呆然とした思いでこの新鮮さを受け止めています。

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5月27日

丸山キヨ子氏『源氏物語と白氏文集』より: 長恨歌の主題が悲劇に終つた愛情、失われた愛に対する長恨にある事は云ふ迄もないであらう。長恨歌がこの様な作品であるとするならば、以上見てきた処で明らかな様に、源氏物語の作者は、長恨歌をその主題的、本質的な意味で源氏物語に引用し、言及し、又類似

 

の表現を多々用ひて物語の世界の具象化に援用したといふ事が出来る。さうしてこれらの引用や言及は物語の個々の場面に断片的に利用されるに止まらず、主要人物の主要事件に一つのリズムをもつて反復して用ひられてゐる事をも指摘する事が出来たのである。

 

それにしても紫式部の漢籍受容は深いですね 到底つけ刃ではこなせませんが それを丸山キヨ子氏のような方がなさって下さっているので 今はただひたすら丸山本を深読みします

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