2024.6.21 Twitter(X)から転載……『薔薇の名前』のアドソの手記に触発されて『華鏡』の原稿を見直し、加筆態勢に入りました
6月15日
おはようございます 薔薇の名前のアドソの手記を繰り返し拝読しています すっかり忘れていて書物の背後にある世界史宗教史が書かれていることに驚いたのですが これ 華鏡にも必要! となりました 写本ができる過程を編年体で書いていて書物の文学史的なものは書くなど思ってもいませんでした
でもアドソの手記のようにこれから書く写本ができてゆくまでの長い歴史を先に何故この写本が重要なのかを概略で書いておいた方が読む方には親切と気がつきました そして改めてこの私が書こうとしている華鏡は日本版薔薇の名前にもなっていい重要さとミステリアスさを内包しているのを思い起こしました
仙覚の小説にこだわるばかりにそんな大切な事を忘れてたなんてと我ながら呆れるばかり 本当はもっと筆力ある方に書いて頂きたいと時々思うのですが ここまで独りで深めて来た想いは他の方にお伝えし切れない 結局そう思って取り掛かっています アドソの手記からは本当に大切なものを頂いています
6月16日
おはようございます 昨夜は100分de名著薔薇の名前を読んで就寝 以前よりわかった気がするのは小説の内容でなく構成がどうなっているか どうそれを華鏡に生かせるかを主眼に読んでいたからでしょう 到底手が届かないと思うはずなのだけれど 華鏡には私しか書けない主題がある そう思えたのでした
6月17日
おはようございます 昨夜の光る君へではあまりに想うこと多く振り回されて終了後はぼうっとして空を見るしかありませんでしたが 一晩経って起きて上澄みのように浮かんできたのは周明という人の哀しみ 表立った史実や重要人物の流れの陰でひっそりと消えていく人 文学ならではの美しい存在です
大石静さんの脚本はとにかく愛があって素晴らしいです 周明にも最後に朱様から周明の真意を理解して頂いてたことを告げられる台詞が用意され救われる 今迄敵対関係としてしか言われてこなかった紫式部と清少納言を仲良しさんにする 源氏物語が主役なのに枕草子を美しく仕上げる この美質 素敵です
6月18日
冒頭は添付のこの写真なのだけれど 仙覚の小説を書くと決め 構成に薔薇の名前からヒントを得ようと読んでアドソの手記に辿り着いて一気に書いたものだからもう数年以上も前のもの その後迷走してどんどん迂回が極まって 最後に書いたこのプリントが5月5日 御子左家の祖長家を入れた回でした
それでもまだ紫式部の源氏物語を入れようなど夢にも思ってなかったのに 光る君へで白楽天が出て ちょうどその頃秋山虔先生の『源氏物語』にヒントを頂き丸山キミ子氏『源氏物語と白氏文集』と出会い 漢籍繋がりで源光行が浮上して やっとここから一気に書き直しに入ります
昨夜から華鏡の書き直し態勢に入っているのですが 鎌倉に源氏物語を持ち込んだ源光行の原点として頼朝に身についた公家文化志向を書こうと作成してあった年譜を見たら なんと 頼朝が伊豆に流される直前まで出仕していた朝廷の空気は二条天皇が清輔の袋草紙に出会った時代 これは!と唸りました
6月20日
朝 道を掃いていたらちいさな紫の花が散り敷かれていて あ 咲いてる? と見上げたら咲いていました セイヨウニンジンボク まだ一枝二枝で切って花瓶に挿すほどはない でももう少ししたら大量に切って飾れます 毎年楽しみなこの時期 路地植えの白いカラーもまた一つ咲きそうです
華鏡の原稿に戻って 大分長く書くことから離れていたから文章を紡ぎ出す感覚をとりもどすために紙のノートに鉛筆ではじめました キーボード入力で原稿を打つ前は原稿用紙に万年筆でした でも探しても原稿用紙はもう手元にありません 鉛筆の芯の先から文章がこぼれだしていく感覚もいいものですね