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2024.8.23 Twitter(X)から転載……大河「光る君へ」で『源氏物語』が誕生しました!! その余韻をまだ引きずっています

8月21日

『駒澤國文』に載せて頂いた「『源氏物語』二大写本に秘めた慰藉―『平家物語』との関係をめぐって」は 平家全盛の時代に青春時代を送り 公達たちとの交流で自らの文学を深めた藤原定家・源光行の二人が 源氏物語さながらだった平家の方々への鎮魂を込めて写本を作ったという内容の論文です

 

そうしてできたのが「青表紙本源氏物語」と「河内本源氏物語」なのですが それをドラマ仕立てで書こうとしているのが華鏡 が 光る君へで紫式部が漢籍を駆使しているのを見て 光行は漢籍を嗜んだ人なのでそこに着目した ということも書き入れなくてはと思いはじめて それが目下のところでした

 

それに夢中になって危うく当初の「秘めた慰藉」の部分を忘れるところだったのを 昨日からの高橋文二先生との思い出をツイートしながら思い出しました 長く書き続けているとこういう危ういことばかり しっかり取り組んで今後はもう光る君へからも影響されることなく書き進めたいです

 

TLで頂いたコメントを拝読して)『風景の図像学』を知らなくて調べてからと思いつつ時間が経ってしまいました。ちなみに、まだです。『風景と共感覚』は私が最初に拝読した高橋文二先生のご著書で、共感覚の語に惹かれてでした。物凄い影響を受けて書いた小説が新人賞を頂き、高橋先生に織田さんの文章は確かに僕に似てるけど、って。

 

『風景と共感覚』を読んでいます やはり高橋文二先生のご文章はいい やはり私の原点 鎌倉の源氏物語の活動で精力を使い果たし枯渇しきって自分の文章を見失い 『白拍子の風』というかつての原稿に手を入れてその感覚を取り戻してもまだ枯渇部分が残っていて でもこの原点回帰で取り戻せるかも

 

あとがきより: あるいは寝つかれぬ枕辺の闇の中に、白い襤褸の塊のような桜の大樹が浮かび上がって来て、風の音のような耳鳴りに共鳴して揺れ、魂の奥処の暗い水面を揺するのである……

 

風景の慰藉と浄化より: 靭負の命婦の弔問の場面がなぜ「野分だちて」とか「夕月夜のをかしきほどに」といった自然の点景を借りて、まずは語り出されていかなければならないのか。実家の荒涼としたありさまが、「月影ばかりぞ八重葎にも」と自然の景観を先立てて描写されていかなければならないのか。

 

8月22日

予告のまひろの装束の色 今迄の予告では黄色系統だったのでまひろの定番カラーは黄色?と不満でした でもこの画像 これから登場されるシーンでしょうけど紫の上の葡萄色 びっくり!

参考【光源氏が愛する紫の上のために選んだ色【葡萄色(えびいろ)】京都のいろ・師走 家庭画報第23回】

 

8月23日

光る君へ まひろが藤原公任邸で講師をしている件 どうして? と最初はびっくりしたのですが やっと ああそういうことかと気がつきました 公任は紫式部の祖母の姪の子だから紫式部とは縁戚 祖母が仲介したと考えれば唐突ではないですね パリ五輪前の最後の回から引きずっていた唐突感が解けました

 

祖母は高齢だから生きていての話ですけど 越前に行くまでは存命でした 添付は昨年の今頃『歴史研究』第714号に載せて頂いた「藤原公任と寛和の変」 紫式部の祖母と公任の関係を書きました 公任邸での講師の件 これを踏まえて頂いた?と思ったり

 

源氏物語が誕生した先週の光る君へ 源氏物語のような文学が依頼されて書けるものではないと思うから爆誕に歓喜するTLについていけずにいました なのに今週後半になってもまだ心に残って麗しくいられるのは 道長とまひろの来し方行く末をきちんと見つめる二人の場面がえんえんと描かれていたから

 

枕草子誕生の描かれ方が最高だったので 源氏物語誕生はあれを超えられないのでは?と危惧していて まひろに言葉が降ってくるシーンにはやっぱりとがっかりしたのですが 時間が経つにつれわかってきました 枕草子は表層の文学だから当事者を外観的に麗しく映像化できた 対して源氏物語は深層の文学

 

だから場面的な映像化はできない そのために道長とまひろの対面場面でえんえんと心を交流させて源氏物語誕生への機運を作った 源氏物語誕生の回の道長まひろの来し方行く末を見つめるその時間こそが誕生を描いていたんですね だから心に残って余韻に余りありの状態なんですね

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