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2024.12.14 Twitter(X)から転載…一年間堪能させて頂いたNHK大河「光る君へ」もいよいよ最終回を迎えます。思う事いろいろありましたが勉強もさせて頂きました。なにより装束建物調度など平安絵巻のビジュアルが美しく貴重で素晴らしかったです

12月7日

今日は紫式部学会だったようでTLに流れてきて懐かしかったのですが 会場が毎年東大で 行くと写真のような憧れの回廊みたいな建築に遭遇するので行くのが楽しみでした 行かなくなってもう何年経つでしょう たぶん二度と行かない そんなふうにどんどん自身に邁進することで社会が狭まってきています

 

ノートル=ダム・ド・パリ再開のニュースがTLに流れてくるので100de名著ノートル=ダム・ド・パリを読み返しています ユゴーは大聖堂の壁に刻まれた「宿命」の文字に激しく胸打たれ いったい誰が書いたのだろうとこの物語を書いたと 2018年の放送でちょうど私が仙覚について考えていた時でしたから

 

私もその宿命の語に揺さぶられ 仙覚の小説の根幹にあるのは宿命なのだ と悟ったのでした エピグラフにしたこともあります(今は外しましたが) 読み返して改めてこの小説の凄さユゴーの凄さに感じ入っていますが その宿命の文字 再開の大聖堂にまだ残っているのでしょうか

 

TLに大聖堂の写真が流れてくると必ずRPさせて頂くのはそれがあるからでした 新しい大聖堂はもうユゴーの大聖堂とは違う? など思いながらTLを見ています

 

12月9日

おはようございます 光る君へが本当に終わりに近づいているのですね 一年間なんて素晴らしい平安絵巻を見せて頂いたことでしょうとしみじみ 今日はもう以前のように余韻に浸ることもなく私の中では終焉総括に入っているから気持ちはすでに華鏡に移っています 動かなかった原稿が動き出しています

 

12月10日

華鏡 書き進んでいた原稿を遡って醍醐天皇の項に醍醐天皇の大井川行幸を入れました これは仙覚の得た万葉集の題詞が歌より低く書かれるようになったのは白河天皇の辺りからで 白河天皇は醍醐天皇を信奉していて大井川行幸も踏襲したと小川靖彦先生のご著書にあったからで 私の万葉集探訪はここから

 

始まったのでした 紫文幻想には書いてあって それを二番煎じみたいにまた書くのはと避けてあって 華鏡はそうした枷みたいなものにがんじがらめになって進まないでいたのでした 光る君へが終盤になって枷がはずれて動き出したら あ 大井川行幸は入れるべき! と心が動き出してきたのでした

 

写真は京都嵐山の大井川 宇多天皇に誘われて行った醍醐天皇の大井川行幸も秋でした こんなふうに綺麗だったのでしょう この行幸は醍醐天皇が菅原道真の怨霊に怯えて身体を崩していたのを心配した父帝宇多天皇が誘ったもの 醍醐天皇の虚弱性にふと母胤子と似た体質かと気がついたのが今日の収穫

 

12月11日

おはようございます 先週の光る君への最後 道まひと倫子さんの関係に 高倉天皇と小督と建礼門院徳子さんの関係が浮かんで 一方は心を打つのに私は光きみに共鳴できない どう違うかと考えていて徳子を書かないから平家物語は文学として昇華しているのだと 倫子を書くのはTVドラマだからなんですね

 

光る君へはすべて装束から建物御簾調度に至るまで本格的で 兼家に絡む詮子さんも含めての政治情勢も緊迫して見応えあったし 今回の刀伊の入寇も なのに私が時々見たくなくなるのはこの倫子さんバージョンと賢子さんバージョンが入る時でした それがTVドラマバージョンだったと気がついて得心

 

源氏物語を書いた紫式部の話というので私は無意識のうちにTVドラマに文学を期待してしまっていました どうりで紫式部が源氏物語を書いた神髄が描かれきってなかった(私はとてもここに不服でした) 最終回が迫ってやっとその勘違いに気づくなんてと疎いです 写真は京都嵯峨嵐山にての小督庵です

 

12月12日

おはようございます 写真の絵葉書は最下部が藤原行成筆和漢朗詠集 中の薄緑が西本願寺本三十六人家集伊勢集 左のグレーが古今和歌集 上に乗せてあるのは西本願寺本三十六人家集貫之集 この貫之集は頂いたお便りで裏にご文面が書かれています 頂戴した時嬉しくて宝物になりました

 

私は国宝源氏物語絵巻に心酔しているのでよみがえる源氏物語絵巻の番組でゲスト出演された時のご反応で ああ この方は源氏物語をリスペクトされてない とわかっていましたが ビジュアルがとにかく価値ある番組なのでずっと観てきました でも 最終回 それを前にしてご本人のコメントでそれを

 

言われてしまったら 白けて 一年間見てきたのは何だったのだろうというくらいに白けています 昨日のツイートの文学とTVドラマの違いを最終盤にきて見せつけられるなんて

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2024.12.6 Twitter(X)から転載…大河「光る君へ」は紫式部の史実から離れた大宰府篇になりました。紫式部の史実を追って書いている華鏡ですからずっと視聴は呪縛のように苦しかったのですが、これで気持ちがとても楽に。最終回まであと二回、私の華鏡はやっとここから動き出します

12月1日

おはようございます 発掘して頂いた過去ツイート 初出仕の時のまひろの装束の色から光る君へではまひろは紫の上なのだと推測しました 娘の賢子が出仕するようになっての今はもっと深い紫の装束 旅に出た装束も素敵で魅入っています まひろには紫の上がずっと通底している そう思います

【8月26日の過去ツイート】そしてまひろの初出仕のときの装束 やはりあれは圧巻の色味 他の方々の色味の軽いきらびやかなシーンに一人だけ深みが そしてそれは光源氏最愛の紫の上の装束葡萄色 まひろの装束にだけ意味が込められています 光る君へで道長まひろは光源氏と紫の上なんですね

 

今日は残り少ないあと三回のうちの一回 紫式部の史実からかけ離れての大胆な恋愛ドラマが繰り広げられそうなので楽しみ それまで華鏡の原稿に専念します 史実に即した紫式部バージョンが終わりやっと華鏡に集中できるようになりました

 

源氏物語の女君たちの中で派手なところのない紫の上 人気投票でも抜群とは言い難い存在なのにその紫の上を根幹に据えてのドラマでした 最愛の人なのに正妻になれない どんなに思っても手に入れられない苦しみ それがテーマだったんですね

 

写真の絵葉書は国宝源氏物語絵巻御法巻 五島美術館所蔵です 今更考えなくても源氏物語の主役は紫の上なんですね なのに長い物語の中では他の華やかな女君たちに気圧されて目立たない 光る君へでも兼家とか詮子とか脇の俳優さん方の壮大な歴史ドラマの中でまひろは傍観者でしかなく主役なのに無言が

 

多かった 何度主役なのに と思ったことでしょう が ここにきて これ以上手に入らない人の傍にいる意味はなんなのでしょうと突然の爆弾宣言 耐えていた思いが噴き出しました 浮舟を読んで空蝉のバリエーションだと以前呟きましたが 空蝉自体が紫の上のバリエーションだったんですね 紫式部には

 

身分が低いばかりにどんなに思いがあっても才能に溢れていても正妻になれない忸怩たる思いがある 源氏物語の成立上 空蝉を書いたから紫の上の構想ができたという流れになり 本編を書き終わっても解決しない問題を浮舟に託した そういう成立順序が見えると思います

 

写真は@福岡鴻臚館 今日の光る君への隆家は清々しかったですね あんなに胸ときめかせて見ていた都の宮中がとても窮屈に思えてしまいました でも 周明 深い思いを抱きそれに耐えている人の美しさ 今日の周明の仕種 眼差し すべてのシーンが目に焼き付いてしばらく忘れられそうにありません

 

データ整理していて出てきた画像 腰越の生涯学習センターで鎌倉の蹴鞠について講演した時のもの 鎌倉の蹴鞠は鎌倉の万葉集と源氏物語の歴史と同時進行なので 主軸を鎌倉将軍として初代頼朝から六代宗尊親王まで そこに絡む執権や文化人を並行させて図示しました 飛鳥井家が蹴鞠の家 そこに定家や

 

光行の源氏物語 仙覚の万葉集が入ってくるのですが 目下書いている華鏡前編は万葉集と源氏物語のそもそもの歴史 なのでこの図に入るよりずっと以前 早く本編のこの図の世界にとりかかりたいです 光る君へがあと二回で終わるけど もう見ないで専心したいという気も(たぶん見てしまうけど)

 

もう一枚ご紹介 仙覚は比企氏ゆかり ということで仙覚を調べるのに随分比企の地域をまわりました 知り合った比企の方に案内していただいたり 比企の方々のご好意がなかったら今の私はありません だから比企の方々のためにも仙覚の小説を完成させたいんです そして 比企は 埼玉県の真ん中です

 

12月2日

やっと文章が動き出しました 華鏡の原稿 紫文幻想と被る時代を書いているので 同じことを書きたくないと思うあまりに 読み返して随分乱暴にいろんなエピソードを省略していることに気づいて反省 昨日のツイートの阿衡の紛議の入れ忘れもそうですが 今日はやはり高藤と列子のエピも入れないとと

 

列子の美しさをどう表現するか ただ美しい人としか文章が動かなくてずっと進まないでいました 列子は紫式部の祖母の祖母 美しい人だったと今昔物語にあります それで思ったのですが 紫式部は日記からも窺い知れるように内省的な暗い性格だからあまり美人ということを言われずもてなかったようだと

 

でも 私は前から感じているのですが 作家自身が「美しい人」でなかったらあの源氏物語は書けないと 結構作品には作家自身のそういった意識って作風に密着します で 祖母をとおして列子の血筋と今夜再び考えて やはり紫式部は綺麗な人だったと

 

12月3日

いきなり増えた全十巻 瀬戸内寂聴訳源氏物語ですが本棚にまだ収容できなくて平積み状態 函の絵が綺麗でこのまま眺めていてもいいかと ふと空蝉を読みたくなって平積みから取り出しました 帚木帖ですね 紫式部は空蝉に何を込めたのだろうと 源氏物語は光源氏が亡くなった美しい母の面影を求めて

 

女性遍歴をする物語ですが ふっとただ母を恋うだけの物語だろうかという疑念が兆して空蝉を 紫式部自身の経験として相当な秘めた思いがあったのではないかと 廣川勝美先生のご著書に一番重要かつ危ないことは書かない とあったのを思い出しました 書いてはいけないから思いを昇華させる為に物語に

 

仮託して書いた もしそれが事実なら相手は誰だろう ただの相手ではあり得ないとしたら具平親王? 近藤富枝先生に『紫式部の恋』というご著書があってそれは具平親王でした 読み返してみたいけど そんなことを考えていたらこんな時間になってしまいました

 

12月4日

吉祥寺コピスのクリスマスツリー 渋いけど素敵でした 昨夜は仮寝して起きたら韓国の戒厳令で緊迫したTLに驚き目が離せなくなって原稿に手がつけられませんでした その分醸造が進んで今入力してプリントまで 紫式部の秘めた恋の可能性について書きました

 

12月5日

『光る君へ ART BOOK』を買ってつくづく綺麗だなあと眺め入っています 内容は昨年末に刊行されたガイドブックを熟読して挑んだ視聴そのままだから それを生身の俳優さんたちが実際に演じて来られたのを見ている不思議 濃縮された一年がぎゅっと詰まっていて感慨深いです

 

光る君へ 先週の大宰府篇から史実の紫式部を離れているので 私としてはこれは完全な創作と割り切れて気分がとても軽快 それでやはり放映が私にはきつく呪縛だったのだなあと 一年間見てきたから試行錯誤がいろいろあって今があるのだけれど やはりもう純粋に私ひとりの世界に戻りたいです

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2024.11.30 Twitter(X)から転載…大河「光る君へ」も、瀬戸内寂聴訳源氏物語浮舟帖読了も、私なりに『源氏物語』に関しての終着を得、やっと華鏡の原稿に集中できるようになりました。やっと・・・

11月25日

瀬戸内寂聴訳で『源氏物語』を再読し 夢浮橋まで読了して 改めて宇治十帖の底知れぬ凄さに圧倒されて見た今回の光る君へ いつもより深く感じ入りました 読了後から原稿に戻れる状態に入っていたのにやはり見てしまうと影響される 月曜日の今日は結局終日皆様のコメントを追って折を見てはTL

 

写真は2008年宇治市源氏物語ミュージアム 薫が宇治の八の宮の姫君 大君と中の君が琵琶と琴を合奏しているところを垣間見ているシーンです

 

11月26日

おはようございます 光る君へは昨日更級日記の作者のキャストが発表されて思ったのですが それはすでに紫式部の没後 という事は光る君への最後は道長の死でも紫式部のでもなく 更級日記の作者が源氏物語を読む事は后の位に着くより憧れ と書いた程に源氏物語は愛でられていたという有終の美を飾る

 

のかと というのもこの大河のキャスティングはわかりやすくて 見た目に清々しい俳優さんをキャスティングされている役はかなり重要なポスト 昨日発表された更級日記の作者の女優さんは可愛らしい上に清々しくて素敵 この方が源氏物語を読むシーン 楽しみですね

 

武蔵野市カトリック吉祥寺教会前の街路樹 久しぶりに吉祥寺に出たので撮ってみました 紅葉の華やかさにはまだまだですね

 

井の頭公園の雑木林も紅葉はまだまだ 倒木になぜか惹かれます でもここに以前かしらと 気がつかないでいただけかも知れないけど

 

11月27日

2012年撮影の修学院離宮です 浮舟が籠った小野の里 光る君へで宇治十帖を読み返してよかった 光る君への放映が発表されたのは 私が鎌倉の万葉集を撤退して源氏物語に移行し始めた時でした 鎌倉の万葉集が鎌倉殿の13人とかぶるので逃げたんです笑 なのにそこに光る君へ もう逃げられないから

 

影響されないよう覚悟して視聴を だから最初は鎧をまとっての視聴でした でも道まひの廃屋辺りからの美しい映像に引き入れられて見ていました なんといっても美術スタッフさん装束担当の方々の渾身の映像美 そういう中で私の鎧も解けて源氏物語を再読 原文でなく瀬戸内寂聴訳というのもよかった

 

今回のまひろの「手に入れられない方の傍にいることに何の意味があるでしょう」は辛かったですね そして 美しい 源氏物語はここに終結するしそれが人生なのでしょう 私も宇治十帖を読んでその思いを噛みしめています そして とにかく 読んでよかった

 

やっと光る君へを抜けて私自身の世界 華鏡 に戻れる気がしてきました 影響されないようにしようしようと気持ちのなかでどんなにか踏ん張った一年だったでしょう 私の紫式部感と光る君へは根幹のところで抵触していないことが途中でわかって余裕ができました ここまでくるのに結局一年かかりました

 

プリンターが壊れて新しくしたらプリント面がとても綺麗 同じ原稿とは思えないほど ちょうどいいので最初から見直そうと全部プリントし直しました そうしたらもうここまでは完璧と思っていた最初の方に数行入れることになり どれほどこの一年集中力を欠いていたかが思われました 光る君へで

 

11月28日

TLを見ると気持ちが引きずられるので今朝は見ずに昨夜プリントした華鏡の原稿を読んでいます 瀬戸内寂聴訳源氏物語でひたすら浮舟を読んでいたように これからはそうしようと で 写真のここにきて ん 為時 となり 光る君へで為時の母が出たら私の華鏡のある意味主役の紫式部の祖母が出たのにと

 

改めて華鏡を読み返していて思うのだけれど 紫式部は幼い時に母を亡くし祖母に育てられた と ここまでは従来言われてきて 紫式部を語る時はいつもここから後 光る君へでもその祖母たる為時の母は出なかった そして為時は散位だから紫式部は受領階級の娘 でもその紫式部を育てた祖母は右大臣の娘

 

そう 紫式部を育てた祖母は右大臣の娘なんですよ これがどういうことかというと 光る君へをご覧になっていた方なら察しがつくと思いますが F4クラスの家柄の娘です そういう人に育てられた紫式部がただの受領階級の娘意識ではないと思うし 源氏物語が書かれた背景にそれは大きかったと思います

 

そうそう 書き始めるときりがないのでこれだけにしますが 紫式部を育てた祖母の父 右大臣藤原定方にはたくさん娘がいて 長女は醍醐天皇の女御になっています つまり祖母は姉妹に女御になった人がいる・・・ これがどういうことかというと絶対紫式部の源氏物語に影響している と私はみます

 

11月29日

やっと音楽に気をとられることもなくTLに引きずられることもなく 終日頭の中で華鏡の原稿を考えている状態になりました 世の中は利権で考えるとわかりやすいですね 私もいろいろ嵌められたり裏切られたりの経験をしましたが 考えてみるとずっと精神論で考えていた でも 結局は利権がらみだったと

 

捉えたら腑に落ちるものがありました 私は文学賞と鎌倉の源氏物語問題とで二回その経験をして だから紫文幻想に藤原北家の他氏排斥事件を気持ちを込めて書けたのだけれど でもまだ権威とか権力争いとかの精神論的次元でした 今選挙絡みやその他事件を見ていて 利権 で判断すると一目瞭然に

 

華鏡の原稿を見直していて これは北条氏に滅亡させられた比企氏ゆかりの仙覚の生涯を基軸にする小説だから 昏迷を深める魑魅魍魎としたTLの世情から学びながら どこまで私は書けるだろうと心配になってきています

 

11月30日

華鏡の原稿 やっとなんとか今迄の原稿に手を入れ荘子女王の項に入れそうになってきました 華鏡はもともと第一部紫文幻想「紫式部の源氏物語への道」第二部万葉幻想「仙覚の万葉集への道」という構想だったのですが 紫文幻想を出したら何かそぐわなく改めて華鏡として最初からやり直している原稿です

 

それで書いていると紫文幻想に重なるものだから 同じ事は書きたくないので詳細を省いたり纏めたりで 今迄の原稿を見直してたら結構乱暴な展開 藤原北家の他氏排斥事件に阿衡の紛議が抜けていたり 見直していて ん? これではなぜ宇多天皇が基経を憎んでいるかわからないと思って気がつきました

 

そんなふうにして手を入れてやっと荘子女王の項に 紫式部が道長に出仕する以前に荘子女王のもとで女房経験があったとして書き進めます 荘子女王は村上天皇の女御で紫式部の祖母の姪 紫式部の父為時を弟のように面倒みています 荘子女王は具平親王の母 従来説では具平親王が庇護したとされてますが

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